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外科医、研究者にして経営者
医療現場を知り尽くすガン治療の伝道師
テラ社長 矢崎雄一郎

週刊ダイヤモンド編集部
【第80回】 2009年7月24日
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テラ社長 矢崎雄一郎(撮影:福本敏雄)

 日本で死亡率が最も高い病気であるガンの治療に、新たな道を切り開いた男がいる。ガン治療のノウハウを医療機関に提供するテラ社長の矢崎雄一郎だ。

 代々開業医の家に生まれ育った。医大に入って医者への道を歩み始めたのはごく自然な成り行きだった。だが、その一方で、「自分にしか成し遂げることのできないことがあるはずだ」という、強い自己実現の欲求がいつもくすぶっていた。

 痛切な悲しみは、人生を変える。叔父と叔母を相次いでガンで亡くした。まだ40~50歳代の若さだった。「ガンをなんとかして治したい」──。強い思いがわき上がり、後に起業へとつながることになる。

 医大卒業後、外科医として勤務しながらも、内なる自己実現の欲求が消えることはなかった。折しも当時はバイオベンチャーブームだった。医者という安定した地位を捨てるのに、ためらいはなかった。遺伝子解析のベンチャー企業へ飛び込んだ。

 医師であった矢崎は、研究開発者として期待されていたが、本人の目的は別のところにあった。起業に向け、経営の基礎を習得したかったのである。必死に頼み込んで、企画、財務、事業計画の策定といった経営管理にかかわる部署で経験を積んだ。

 経営に深く携わるほど、起業への思いは強まっていった。だが、何をしていいのかわからず、起業の種を探し回った。あるとき、東京大学医科学研究所附属病院で、「樹状細胞ワクチン療法」と出会った。可能性を直感した矢崎は、研究員としてかかわることになった。むろん、その先に起業を見据えていた。

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