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夏の甲子園を沸かせた「カット打法」に高野連が物言い
花巻東高校・千葉翔太くんのバッティングをめぐって

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第45回】 2013年9月14日
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 二〇二〇年の夏季オリンピック開催地がTOKYOに決まり、七年後を見越して日本国内は早くも祝賀ムードで盛り上がっている。来年の話をしただけで鬼が笑うというのに、七年先の話をすると誰が笑うのだろう。答え:建設業者。

 滝川クリステルさんの、お・も・て・な・し、に蕩かされた男性は数多くいただろうが、東京開催が決まった同じ日、台湾で行なわれていた一八歳以下のワールドベースボールクラシック(WBC)では、決勝戦で日本代表がアメリカ代表に敗れた。

 決勝戦の先発は、神奈川県桐光学園高校の松井裕樹くん。昨年の甲子園大会では初戦で今治西高校を相手に一〇者連続三振を奪う二二奪三振で、一試合の奪三振記録を塗り替えた。

 松井くんは左投手で、左投げというのはそれだけで球速が+5km/hは速く見えるという利点があるのだが、それに加えて松井くんは縦に落ちる凄まじいばかりのスライダーを武器に、右バッターからも左バッターからも面白いように三振を奪った。

 夏の大会では準決勝で横浜高校に敗れたが、今年のドラフトの目玉には変わりない好投手なのである。彼が素晴らしいピッチャーであることに異を唱える人はいないのだが、今大会での甲子園出場を逃した彼が、日本代表に選ばれたことに、私は少なからず違和感を覚えている。

 甲子園での活躍ではなく、過去の実績で選んだということなんですね。
 というわけで、今週も野球のお話です。

 ヤクルトのバレンティン選手が王貞治さんらが持つシーズン最多ホームラン五五本に並び、残り試合を考えれば新記録達成は間違いないかと思いきや、メジャーリーグでもボストンレッドソックスの上原浩治投手が、二六試合二九回三分の一を無失点、おまけに打者三四人を連続アウトで抑えるという、神がかった投球を見せている(九月一二日現在)。

 サムライたちは頑張っているな、私たちも見習わないと――、と思っていたら、どーにもよくわからない議論が、高野連で巻き起こっていた。岩手県代表花巻東高校の二番打者、千葉翔太くんが甲子園大会の準決勝で見せたバッティングについてだ。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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