最後は、商機を感じる一瞬を見逃さなかった起業の事例です。

「朝飲めば夜まで効く」「苦くない」といった特長を持つ医薬品・健康食品に一役買っているのが、ジャスダック上場のフロイント産業。薬品などの成分が体内で効き始めるタイミングを調整するための造粒装置を製造しています。独自技術を武器に「世界3強」の1つに数えられ、2013年2月期は過去最高の経常利益16億1800万円を稼ぎました。売上高経常利益率は9.9%です。

 会長の伏島靖豊さんが同社を設立した1964年当時は、飲みやすくするために添加剤でコーティングされた薬が普及し始めていました。起業のきっかけは、大手製薬会社に勤める友人から「製薬企業は金網に薬を入れて、添加剤に浸す行程を手作業でしている」と聞いたことだそうです。商機を感じてコーティング用の機械を製薬会社に持ち込んだところ、プロトタイプの段階で売れたといいます。(「日経ヴェリタス」2013年2月10日号)

 商機を感じたのは、常に自分のセンサーを研ぎ澄ませていたからではないでしょうか。それに、どんな些細なことにも興味を持ってチャレンジする姿勢も大事ですね。

 (毎週水曜日更新。次回は9月25日更新です)


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