ビジネスモデルを成立させる五つの仕組み

──現在のモデルを成立させている具体的な「仕組み」についてお聞かせください。

グッドウイン
常務取締役営業本部長
大澤 誠氏

大澤 グッドウインの仕組みは、大きく五つの柱から成っています。

 1つ目が、「見込客獲得チャネルの整備」です。弊社では、保険ポータルサイトを始め、セミナー、会員組織を持つほかの代理店との共同募集、ハウスメーカーや工務店とのコラボレーションなど、いくつもの見込客獲得のチャネルを用意しています。営業社員は、それらのチャネルからもたらされる詳細な見込客情報を基に、営業活動を組み立てていくことができます。

 従来の保険の訪問営業には、「仕事場や自宅に訪ねてきて、自社の商品を一方的に推奨する」といったマイナスのイメージがあったことは否めません。しかし、見込客獲得チャネルを駆使した弊社の営業活動では、そのようなことはありません。見込客情報は本当に保険を必要としているお客さまが前提となります。それぞれのニーズに応じたアプローチができるからです。

 2つ目は「人材育成」です。私たちは、すべての営業社員がファイナンシャル・プランナー(FP)の資格を獲得することを長期的な目標に掲げています。それによって、より水準の高いサービスを提供できるようになると考えるからです。その目標を達成するために、社員全員が無料で受講できるFP養成講座を用意しています。ほかにも、成功事例を共有するための研修、新人研修、見込客獲得チャネルごとのスキルアップ勉強会など、社員の能力開発のための多彩なプログラムがあります。

 3つ目は「フルコミッションのシステム」です。営業社員の報酬は、すべて個人の業績に連動しており、より多くの契約を取った社員が、より多くの報酬を手にすることができます。報酬額に事実上、制限はありません。本人の努力と工夫次第で、いくらでも収入を伸ばすことができるわけです。

 4つ目は「社内ウェブサイトを使った情報の透明性の確保」です。グッドウインが商品を取り扱っている保険会社は、現在36社あります。そのすべての取扱商品の情報を始め、手数料のシェアの割合、全国の営業支社の成績など、ありとあらゆる情報が社内のウェブサイト「カフェグッドウイン」にアップされており、全社員がアクセスすることが可能です。社員や契約者の個人情報に関するものを除けば、社内のすべての情報を全社員が共有できるようになっています。

 そして5つ目が、「徹底したコンプライアンス」です。社長直轄のコンプライアンス部を設置し、定期的にコンプライアンス研修を行うなど、コンプライアンスの徹底に全社を挙げて取り組んでいます。これはコンプライアンスを社会的義務としてのみ捉えるのではなく、お客さまとの信頼関係をつくる基盤と考えています。お客さまの重要な情報を取り扱う仕事ですので、この点に安心を得て頂かない限り、そもそも営業はできないと考えています。