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売上好調でも、Jリーグにほぼ見返りのないtotoの在り方への疑問

相沢光一 [スポーツライター]
【第65回】 2009年7月28日
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 日本スポーツ振興センターによる09年度の助成財源額が過去最高の127億円になることが明らかになった。08年度が約15億円だったから、8.5倍ものアップである。

 同センターはその名の通り、スポーツ振興のための財源を確保し、管理、運用、助成を行っている。助成金の区分は3つ。スポーツ振興くじtotoによる助成、totoや政府の出資、民間からの寄付を財源にしたスポーツ振興基金による助成、国からの交付金を財源にした競技強化支援事業の助成だ。

 こうした助成金は各競技団体の競技普及や地域のスポーツ環境整備、選手の育成や強化などに振り分けられる。その額が増えるということは、日本のスポーツ環境がよくなり、多くの人がスポーツを楽しめるようになることはもちろん、さまざまな競技の活性化につながる。オリンピックなどの国際大会で活躍する選手も生まれやすくなるだろう。スポーツ界にとっては大変いいことである。

 この助成財源が増えたのは、totoの売れ行きが好調だからだ。08年度は過去最高の約949億円を売り上げた。最高当選額6億円で大ヒットしたtotoBIGのおかげである。

選手をトラブルから守るため
Jリーグと距離を置いたtoto

 totoの売上は50%が当選の払い戻しに充てられる。残りの50%から経費を除いた額が収益となり、その3分の1が国庫に納められ、3分の2がスポーツ振興事業にまわされる。その額が09年度は122億円になり、07年度の繰越金5億と合わせて127億円になったのだ。

 totoは実施前、「スポーツ振興の財源をギャンブルに頼っていいのか」といった批判を浴びた。とりあえず成功し、多くの助成金がスポーツに使われている今、そうした批判はほとんどなくなった。が、当初の構想とはズレが生じていることも確かだ。

 totoがスタートしたのは2001年。多くの批判を受けたため、厳密なルールを設けて慎重に始められた。19歳未満の者は購入してはいけないというルールをはじめ、totoを運営・発行する日本スポーツ振興センターとくじの素材となるJリーグと距離を置く配慮もされた。

 当初売り出されたtotoはJリーグの11試合の勝敗(引分けを含む)を当てるものだけだった。番狂わせが起こりやすいサッカーで11試合すべての勝敗を当てるのは至難の業。当たれば当選金額はばく大になる。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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