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インキュベーションの虚と実

事業のHOWが鍵、そのパズルを考え抜く
小澤隆生・YJキャピタルCOOインタビュー

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第35回】 2013年9月17日
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<例2 ナビタスクリニック立川>

 街の医院(クリニック)を作りたいと相談があり、素人の小澤氏が企画立案をひきうけることに。

 医療系は、商品は決まっていて、法律で値段も決まっている。すると、勝負するポイントはまず、営業時間、立地、ホスピタリティの三つ。

 そこで、

・JRと交渉して立地は駅の上にし、営業時間は午後9時までに。
・内装とホスピタリティは、山王病院がホテルなら、スターバックス級を目指して心地よく。また、顧客目線で予約がしやすい仕組みにし、礼儀正しく、清潔感あふれるスタッフを。さらに東京大学から先生を招いた。
・価格が自由な自由診療で需要が大きい「インフルエンザ予防」、「花粉症予防」に力を入れた。近隣の相場より10%安くし、「立川」「インフルエンザ」のキーワードで(ネット検索対策の)SEOを施した。加えて、オープン時は白衣を着た学生に駅前でティッシュを配るといった従来にはないマーケティングを実行した。

 既成概念と業界慣習を超えて、パズルを解いた結果、大成功をおさめたのである。

*  *

事業のパズルを解くには
具体例で考えることを重ねる

――パズルを解き、事業のHOWを考えるスキルを身に着けるには?

 三木谷さん、孫さんと、経営者のすぐ下で事業を行う経験を得てきたが、この人はどうして成功してきたか、成功の秘訣はなにか、なぜこういう経営判断をするか、と考える。

 これに限らず、例をみて、自分だったらどうするかと考える。投資家だったら、ベンチャーのビジネスプランを読み解いて、自分ならどうするか考える。そして継続して追いかけて、どうなったかをみる。

 これは推理小説で犯人を予想し、結果をみると違った犯人だったとかいうのと同じだ。気になるベンチャーについて、俺ならこうすると考え、その後をみるというのをやったらいい。これは学生でも誰でもできる。

 以前には、「勝手コンサル」というのをやっていた。数人集まって、例えばオートバックスについて調べて、自分たちならこういう事業をやると考える。その後、投資ファンドの人を呼んで、考えた事業プランを発表し、その事業をもしオートバックスが発表したら、オートバックス株について買いか売りかを判断してもらうことで事業プランについての評価を受けるということをやっていた。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

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