収入の半分を在来線に依存し、少子高齢化で地方在来線の収益はますます厳しくなる。JR西日本の真鍋社長が描く生き残り策とは。

西日本旅客鉄道(JR西日本)社長 真鍋精志 <br />鉄道以外の事業で成長を模索 <br />街づくりとセットで生きるPhoto by Kazutoshi Sumitomo

──5カ年(2013~17年度)中期経営計画を策定しました。前計画(08~12年度)は、九州新幹線と大阪ステーションシティの開業という目玉がありましたが、今回は何が骨子になるのでしょうか。

 30年先は人口減と少子高齢化で、鉄道事業は悲惨な状態になっているかもしれない。成長するには非鉄道分野を拡大しようと。ただ、この5年では非鉄道事業は260億円しか増えません。枠組みを決め、土壌を耕して、種をまく期間で、次の5年間に大きく成長させなければなりません。同時にわれわれの使命は、安全に鉄道を走らせることです。

──JR西日本の今の収益構造はどうなっているのですか。

 収入でいうと4割強が新幹線、3割強が京阪神エリア、その他が3割弱です。1987年に民営化したときに黒字だったのは新幹線と大阪環状線だけでした。新快速を整備して、ようやく京阪神が黒字になった。その他は大ざっぱにいうと今でも赤字になっています。

──その他のエリアは赤字だし、年々利用者も減っていくと。

 それぞれのエリアに合ったビジネスを地元で考えていかなければならない。各支社はJR西日本という大きな器の中の一つではなく、自分たちの経営はどうあるべきなのか、本気になってビジネスをしていこうということです。

 今回の中期経営計画では、新車両の投入も含めて、集中的に広島の開発に取り組みます。