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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

景気の脅威は消費税より円高・株安
誰も見通せないリスクは誰が負うか
――熊野英生・第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第111回】 2013年9月25日
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 安倍首相が近々、消費税増税を最終決定するという。すでに増税を意識して経済対策を具体的に構想しており、10月1日の日銀短観公表後のどこかのタイミングで、増税決定を発表することだろう。

 筆者は、安倍首相が「2013年4-6月の経済状況を見て」、2014年4月の消費税増税を改めて判断するという判断基準に関しては大いに疑問を抱いている。

 この判断基準がおかしいと思うのは、次の4つの理由からである。

(1)2013年4月から秋までの経済データをつぶさに検証しても、2014年以降の景気情勢は完全には見通せない。

(2)2014年4-6月以降の景気の持続性は、消費税の反動減よりも、そのときの海外経済の動向に依存する部分が大きい。

(3)2013年6月あたりまでは、黒田総裁の金融緩和効果が、円安・株高を促して、製造業・非製造業の収益回復に大きく貢献したが、もうその効果は出尽くしている。

(4)経済成長戦略は確かに重要だが、消費税増税のタイミングまでに、景気を大きく底上げする即効的効果は見込めない。

 多くのエコノミストや専門家と言われる人々もまた、最終的に政治が決断するしかない問題に関して、増税後の景気情勢が見通せるかどうかという別の評価基準に論点をすり替えて考えるようになっている。

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熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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