リーマンショック以降、財務基盤の強化に取り組み一定の回復を見せてきた三井生命保険。6月に社長に就任した有末真哉氏に、今後の方針を聞いた。

三井生命保険社長 有末真哉 <br />新しい取り組みで独自性を出し<br />株式上場できる会社を目指すPhoto by Toshiaki Usami

──6月に社長に就任されましたが、どのように会社を変えていく方針でしょうか。

 財務基盤は一定の回復を見せ、営業についても底打ちをしました。これまでは、足元固めが優先でしたが、前向きに新しいことに取り組んでいきます。

 また、顧客ニーズの多様化に伴い、販売チャネルも多様化しています。引き続き営業職員チャネルが中心ですが、6月から銀行窓販を再開しましたし、代理店チャネルについても力を入れていきます。

──財務基盤が改善したとのことですが、他社と比べるとまだまだ見劣りします。

 相対的な比較ですと、まだまだ満足できる水準ではありませんので、引き続き強化します。

──課題は何でしょうか。

 営業力の強化と収益力の強化の二つが課題だと考えています。

 また、社外から人材を招聘していますので、彼らの採用ノウハウや新商品、販売手法といった知見を生かしながら、スピーディに業績を伸ばしていきたいと思っています。

──豪ドル建ての商品や引き受け基準緩和型など新商品を出しましたが、他社ではもうすでに発売しています。また、おっとりした社風をどのように変えていきますか。

 これまではややおとなしめの社風でした。保険業界も競争の世界ですので、おっとり構えていていいことはありません。