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コンテンツ業界キャッチアップ

ちきりんさんと、ゲーム業界開発者の働き方を考える

石島照代 [ジャーナリスト]
【第43回】 2013年10月7日
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 高齢者の中には、1日中テレビを見ていて、他人と話すのは営業電話やオレオレ詐欺の人くらい、というような人もいると思うんです。足が悪いと出かけるのも大変だし、お金もかかるから引きこもりがちになる。するとテレビを見るしかないんですが、テレビは一方通行だから、見ている側は完全に受動的。それだと脳も体も活性化しない。

 一方、「どうぶつの森」はすごくインタラクティブで、否応なく頭を使わされる。タッチペンを使うのは、手先を動かす訓練にもなる。敵と戦う必要もなくて、反射神経を要求しないから、自分のペースで楽しめる。

 その上、時間がリアルタイムで進むので、今日は七夕だとか名月だとか教えてくれる。ひとりでこもっている人でも季節感が持てますよね。私もどうぶつの森のプレー中に「そうか、今日は中秋の名月か」って気がついて、実際の月を見ましたから。

――たしかに、森の動物たちと楽しく交流する「どうぶつの森」は高齢者の方に合っているかもしれませんね。

ちきりん 朝起きて3DSを起動し、どうぶつの森を始めるとき、いつも思うんです。しずえ(どうぶつの森の司会進行キャラクター)が、「おはようございます。○○さん今日もお元気ですか?」という質問をして、その回答が通信機能でケアマネージャーや自治体の高齢者支援課に送られる。毎日遊んでいた人が、突然ゲームを立ち上げなくなったら、異変に気づけますよね。ほかにも「お薬を飲みましたか?」って聞いてくれたら服薬管理に使えます。

 さらにゲームの中で、「久しぶりに息子さんから電話がありましたか?」「問題を起こしてお金が必要という電話でしたか?」みたいな質問がでてきて、「はい」と答えると「本当に息子さんですか?」というメッセージを表示し、通報してくれてもいい(笑)。

――ブログで「どうぶつの森」のマーケティングのうまさも評価されていましたが、どんな点が高評価につながったのでしょう?

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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