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ちきりんさんと、ゲーム業界開発者の働き方を考える

石島照代 [ジャーナリスト]
【第43回】 2013年10月7日
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2回目の人生を
「神モード」で考えてみる

――「未来の働き方を考えよう」のサブタイトルは、「人生は二回生きられる」ですが、開発者の皆さんも、時期が来たら違う人生を生きる勇気を持ってほしいと思うことがよくあります。

ちきりん 自分の人生に「神モード」という視点を持ってみたらどうでしょう? 特定のプレイヤーだけで世界を見るモードから、神モードに切り替えて見てみれば、「次はこのキャラで戦ってみようかな」と思える人もいるのでは?

 たしかに、最初に自分が選んだシナリオはめちゃくちゃおもしろかったかもしれません。でもそっちのシナリオに行き詰まりが見えたら、いったん神モードに戻って、違うシナリオ、違うマップでプレイしてみたら、「こっちもおもしろいじゃん?」とか、「まさか自分にこんなキャラが合うなんて」という感じで、もうひとつ大好きなものが見つかるかもしれません。

 もちろん、ゲームを作ること以外一切興味がない、という人がいるのもわかります。もしそうであれば、一生クリエイターでいけばいいと思います。今いる会社にいられないとなったら他に行けばいいし、行くところがないなら個人で会社を作ってもいい。

 でもそっちを追求するなら、売れないことやみんなに認められないことに関しては、ぐちゃぐちゃ言うべきじゃないです。ゲームが好きで、自分で作りたいゲームを作るのが幸せだということと、みんなに認められたいという気持ちは、独立したふたつの願望です。

 本当に「オレの作りたいものを作りたい」という人にとっては、「他の人たちがおもしろいと思えるように作る」、つまり、売れるゲームを作るのはある意味邪道でしょ。だから、お金にはならずカツカツの生活でも、自分の会社で作りたいゲームだけを作る人生も、本人がそれを希望するならとても幸せだと思います。お金が稼げてないからと言って、周りの人が同情するなんておせっかいな話です。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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