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岸博幸のクリエイティブ国富論

雇用規制が“もっとも強固な岩盤規制”だった

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第242回】 2013年10月4日
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 安倍首相が、来年4月の消費税率上げと、その経済への悪影響を緩和するための経済対策の概要を発表しました。その経済対策については、どうしても家計への補助や企業減税ばかりが目立つのですが、見逃してならないのは成長戦略がどう進化しているかです。

国家戦略特区での「ゼロ回答」

 消費税率を上げたら、当然ながら景気には悪影響が生じます。それを緩和するために経済対策を講じるのは当然であり、その中で低所得層に配慮し、短期的な景気落ち込みを防ぐために住宅ローン減税や公共投資を入れ、また成長を担う企業への減税を頑張ったことは素直に評価すべきです。投資や賃金を増やした企業だけが対象というのはちょっとイマイチですが…。

 ただ、経済対策では、そうした短期的な対策に加えて長期的な成長に向けた対策も大事であり、その中核となるべきは規制改革です。その中身がどうなっているかは、10月1日の産業競争力会議で決定された「成長戦略の当面の実行方針」に書かれています。

 そこでは、国家戦略特区による地域単位での規制・制度改革が一番最初に書かれており、政権の改革姿勢を示すものとして評価できます。しかし、問題はその中身です。

 国家戦略特区で具体的にどのような規制改革を行なうか(既存の規制の特例措置を講じるか)については、内閣府に設置されている国家戦略特区WGで検討されており、実行方針でも「特例措置を検討、具体化し、国家戦略特区法案を次期臨時国会に提出するなど、所要の措置を講ずる」とされています。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。

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