1年を52週で考える

 もう一つ、私がこの手帳に込めたのは1年を52週でとらえる考え方です。この手帳は週ごとに区切って1年を52週間にしています。私がフルコミッションでセールスをしていたときはPW、ペイウイークと言っていました。週ごとにお給料が払われたからです。

 でも、1ヵ月単位で考えている大多数の会社でも、52週に区切る考え方を取り入れるとうまくいきます。1ヵ月に1回の締めだと追いつかないからです。月給ベースの仕事だと、月末に急に忙しくなって、営業があちこち電話をかけて今月の目標をなんとか達成しようとする光景がよく見られます。

 私のやり方だと、1ヵ月を4週か5週に区切って、1週目で経費分の売上げを立てる。2週目からはプロフィットを出す。最後の1週間は休めばいいと。他の会社が月末に何とか数字を出そうとじたばたしているときに、余裕で次の月のことができてしまうのです。

 たえず1週間ごとに目標を設定するのです。そのなかにさらに水曜日の境界線があります。水曜日の境界線って何でしょう?1週間の目標を立てて月曜日から仕事をスタートしたとします。でも、予定どおりにいかないことも多いですよね。水曜日まで予定どおりに進まないと、私たちの心理はどうなるでしょう?「もうダメかも……」という気持ちが生まれてしまう。月・火・水とこけてしまうと、なしくずしに目標達成できずに終わる可能性が高いんです。

 そこで私は水曜日に線を引いて木曜日の朝にミーティングをしました。「水曜日まで結果が出てないよね。どうする?目標を上げますか?下げますか?」と。目標を下げてもいいのです。大事なのは結果を残すこと、ゼロをつくらないことだから。自分が1週間動いたことを残そう、と。週の前半にやった方法はうまくいかないことがわかった、木曜の朝に切り替えて新しい方法を考えてみよう、そんなふうに提案します。すると、いろんな道があることが見えてくる。そして、木・金で奇跡的なことが起こったりして週の目標達成ができるのです。水曜日の境界線があることで、切り替えができます。