成績が悪い部下こそ、叱るのは逆効果

 成績が悪い部下には、どうしても雷を落としてしまいがちです。でも、「やる気出せ!」「いつになったら、成績上げるんだ!」などと叱っても、解決につながりません。

 成績が悪いのには何らかの理由があるはずです。まずは、部下の現状をよく知る必要があります。

 そのためには、ふだんから部下が近づきやすい雰囲気をつくっておくことです。叱責ばかり続けていては、部下を遠ざけ、本当の問題点を把握しづらくなってしまいます。これでは、いつまでたっても解決に至りません。

 上司は、次の3点を心がけましょう。

1.「どんな部下にもいい部分はある」と美点凝視しよう
 成績が悪い部下に対しては、「すべてが悪い」と思ってしまいがちです。でも、決してそんなことはありません。いい部分は必ずあるはずです。意識して部下のいい部分を探し出しましょう。いい部分を探すのも上司の役目です。

2. 以前の本人と比較する
 上司の中には周囲のメンバーと比較することで、本人の反発心を煽るという考えを持っている方もいるかもしれませんが、これは逆効果です。劣等感を植えつけるだけですし、何よりも本人の成長につながりません。

 比較するなら、本人自身の過去と現在を比較するべきです。そして、成長を褒めるのです。

3. 自分が新人だった頃を思い出してみる
 部下にイライラしそうになったら、自分が新人だった頃を思い出してみましょう。たいていの人は、何らかの失敗を経験したことがあるはずです。

「あの頃の自分も、上司をイライラさせていたんだろうな」と思えば、落ち着いてくるでしょう。