人間の子どもより多い
犬猫にサービス市場拡大

 先日、現代の社会構造を象徴するような統計数字を発見しました。ペットフード協会が毎年実施している「全国犬猫飼育実態調査」です。

 同調査によると、2012年度の全国の犬の飼育数は1153万4000頭、猫は974万8000頭、合わせて2128万2000頭だそうです。これは、15歳未満の人口1649万人(13年4月1日現在、過去最低)をゆうに超える数です。子どもよりペットが多い時代とは、何とも複雑な心境にならざるを得ません。

 それを象徴するように、昨今のペット関連市場規模は1兆4000億円程度まで拡大し続けており、総務省の家計調査によれば、12年の1世帯あたりペット関連年間支出額は、05年に比べて15%上昇。とりわけ、ペットの健康に関わる支出が増えているのだそうです。

 実は、私も3年前からトイプードルを飼い始めたのですが、予防接種を受けたり、しつけ教室に通わせたりと、思いのほか出費がかさむことに少々面食らっているところです。

 そんな矢先、流通大手のイオングループが、自社のショッピングセンターや総合スーパー内にペット用品店の出店を加速、18年度までにペット用品の扱い店舗数を現状の3倍である600店にするというニュースが流れました。ペットが家族の一員となっている今日の状況を見るに、ペット関連は、今後も成長が見込めるマーケットであることは疑いないでしょう。

 ところが、このペット関連ビジネスのプロモーション、意外にマーケッター泣かせなのです。

 ペット保険をはじめ、私もこれまでいくつかのペット関連サービスのマーケティングプロジェクトに参加してきました。が、その都度メッセージの考案やメディアの選定に非常に苦労させられてきたのです。

 なぜでしょうか。