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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

財政難の恩恵? いかなる政治家といえどもこれ以上は、ばらまけない

上田惇生
【第163回】 2009年9月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
ポスト資本主義社会
ダイヤモンド社刊
2100円(税込)

 「われわれは今のところ、ばらまき国家という合法の富の略奪から逃れる方法を知らない」(『ポスト資本主義社会』)

 ドラッカーは、国家予算の歳出項目それぞれについて公益への貢献度を評価する機関の必要性を説いている。しかも立法府や行政府から独立した機関が必要だという。求められているものは、企業監査の政府機関版である。

 一般に、政治家と官僚は、自らを律するいかなる試みにも反対するものと思われている。しかし実際には、ほとんどの政治家が、外部チェックを、むしろ歓迎するに違いないという。

 もともと政治家と官僚は、清く正しく、すばらしい社会をつくるという理想に燃えた人たちのはずである。それが諸々のしがらみで利益誘導的な人たちになってしまった。国民の財産を守るべき者が、集めてばらまく役目を果たす羽目になったのだ。

 しかし彼らは、自らを律することはできない。そのようなことをすれば諸々の利益集団から罰せられ、職にとどまることはできないからだ。

 もちろん彼らも、ばらまき行為が自らの地位や国民との関係をむしばみつつあることは知っている。おまけに自らの誇りを失わせつつあることも知っている。

 「今後あらゆる国において、政府支出に向けられる金はますます少なくなっていく。その結果、ばらまき的な歳出を制御することにますます関心が集まっていく。その必要性については、もはや疑う者はいない」(『ポスト資本主義社会』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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