『中谷彰宏の人生道場』テーマ第1弾は、「話し方」です。自分の思ったことをわかりやすく伝えたり、相手を説得したりするためにはコツがあります。多数の講演をこなしてきた中谷彰宏が、自身の経験を活かし、「話し方」の極意を公開します。


聞き手より、リラックスして話す。


 語り手の語り口調と聞き手の聞く姿勢はミラー効果があり、連動します。語り手が緊張してしまうと、聞き手も緊張します。両者がリラックスした状態のほうが心を開けてコミュニケーションがとれます。

 お医者さんはコミュニケーションをとるのが苦手です。ビビらせることによって自分の言いたいことを一方的に伝えようとすると、患者さんからの評判が悪いのです。

 お医者さんは「はい、どうしました?」と言う時にまず患者さんを見ません。何かを書いているわけではなく、見ないという意思表示です。

 お医者さんに「ちょっと風邪ぎみなんですが」と言うと、「シロウトが勝手な判断をしない。なんで風邪ってわかるの」と冒頭から言われます。ひどい症状の時は、「どうしてこんなになるまでほうっておいたの」と怒られます。

 上から下への高圧的な言い方は相手に好かれないので、コミュニケーションではありません。