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「婚迷時代」の男たち

借金返済が先?結婚が先?
“青春時代のツケ”に苦しむ多重債務の婚活男たち

西川敦子 [フリーライター]
【第8回】 2009年5月8日
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 合コンでモテモテの有名大学卒・エリートビジネスマンが、じつは借金まみれ――。

 緒方学人さん(仮名・31歳)が、真剣に婚活に取り組めないのにはわけがある。多重債務者だからだ。

  慶應義塾大学を卒業後、一流企業に入社。同期の中でもいち早く管理職に昇進している。月収45万円で、年収は800万円ほど。そんな彼が多額の借金を背負いこんでいようとは、誰も想像しないだろう。

 「原因は株式投資の失敗です。一時は信用取引でバンバン儲けていました。ブランド品を買いまくり、毎晩豪遊していました。ところが3年前のある日、保有株が大暴落したんです。とはいえ、一度上げた生活レベルはなかなかもとに戻らない。自転車操業的に借金を繰り返していましたね」

男性の高額消費が話題になったミニバブル期。一度上がった生活レベルはなかなか落とせないもの

 結局、クレジットカードのローンも含め5社から借金。完全な多重債務に陥った。その額は500万円ほどに膨れ上がったという。それにもかかわらず、緒方さんには借金を抱えているという自覚がなかった。当時、ネットの副業も始めており、毎月5~10万円の稼ぎになっていた。「本腰を入れれば、いつでもまとめて返せる」と軽く考えていたのだ。

 現実を直視したのは、「運命の彼女」と出会ってからだ。

 合コンで知り合った、控え目で清楚な女性。それまでまじめに恋愛をしてこなかった彼は、一目で夢中になった。

 「彼女にふさわしい男になりたい」

 その一念から、節約に精を出すようになった緒方さん。ランチタイムは持参したおにぎりをもってこっそり公園へ。好きなビジネス書もブックオフで購入するようにした。アフターファイブはおもに合コンに精を出していたが、ふっつりとやめ、めいっぱい残業するようになったという。

 それでもクリスマスデートでは、5万円するシャンパンのハーフボトルを抜き、1泊8万円の一流ホテルに泊まる、という矛盾した行動をとってしまった。恋は盲目である。

 いつしか結婚話も出るようになっていた。式場のブライダルフェアに足を運んだら、彼女の実家に挨拶に行こう――。何もかもうまくいきそうに思えた。そう、あの日までは。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


「婚迷時代」の男たち

仁義なき最新の婚活事情から、結婚をビジネスにする企業、結婚生活や離婚の実態までを徹底取材。「結婚」という2文字に翻弄される男たちの姿を追う。はたして「結婚」は男を幸せにするのか――。

「「婚迷時代」の男たち」

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