会議運営の効率化を実現するテクニック

 会議は経営マネジメントの一つと位置づけて考えるべきだ。そこで、会議の生産性向上を実現するためには、経営幹部の心遣い、主催者の段取りが大変重要になってくる。具体的には以下のような方法を実践してみてはいかがだろうか。

(1)会議のコストを貼り出す
 会議には人的コストがかかっている。このコストを明確にしよう。参加者の年収から1分当たりのコストを割り出し、それを合計する。たとえば、1分間の会議コストが1,400円になったら、「本会議は総額1時間で84,000円」と表示する。コストのかたちで「見える化」されれば、1分たりともムダにできないという熱意が生まれるはずだ。

(2)資料は1枚にまとめる
 資料作成に時間をかけすぎていることも会議のムダの一つ。資料は簡潔に、なるべく1枚にまとめる(=1枚ベスト)。資料作成にかかった人的コストを表示するのもいい。たとえば「今回の資料作成には○人が○時間を費やし、資料作成コストは総額168,000円」と表示する。経営者も資料を作成する担当者も、余計な資料を準備することのムダに気づくだろう。

(3)会議の基準時間・回数を決める(基準化の例)
 1.社長主催会議は無制限
 2.部門長主催会議は2時間
 3.部署長主催会議は1時間
 4.ミーティングは1時間以内
 5.朝・夕礼は10分以内(1日1回)
と決めて、主催するリーダー(経営層、管理層)がこれを必ず守る継続が習慣を作り出していくことになる。

(4)会議の参加者を事前に決める
 会議の参加者は主催者が事前に決めておく。欠席の場合は必ず代理を出す。よく「勉強のために」と部下を連れて参加する上司は多いが、実際に部下育成の役に立つことはあまりない。どうしても部下を同行させたいなら目標をしっかり持って、事前に主催者に連絡することが大切である。

(5)会議の基準を設ける
 会議をするうえで何をやるべきか(点検点)、何をするべきでないか(注意点)を明確にし、事前にメールで伝える。せっかく会議のルールを決めても、それを守らない人は必ず出てくる。特に「長」のつく人ほど守ってくれない傾向にあるといえる。そういった人には口頭では伝えにくいので、メールで事務的に淡々と伝えるのがいいだろう。守ってくれるまで繰り返し伝えることが肝要だ。