ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
『週刊ダイヤモンド』特別レポート

米プラット&ホイットニーPW1000Gシリーズ開発担当
ヴァイスプレジデント アンドリュー・タナー
絶えず、事業機会を探っているが
今は"計画通りの実行"を重視する

週刊ダイヤモンド編集部
2013年11月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

カナダのボンバルディアとブラジルのエンブラエルの2強が牛耳る中小型機市場。この市場を目がけ、日本のMRJを含めた新規参入が加速しようとしている。そこで、現在ほぼすべての有力プレーヤーにエンジンを供給しているメーカーが、プラット&ホイットニー(P&W)だ。世界三大航空機エンジン・メーカーの一角を成しており、今年から2016年にかけて、P&W製のエンジンを載せた中小型機が、続々と登場する。開発当事者に話を聞いた。

――先の9月16日、カナダのボンバルディアは、開発中の「Cシリーズ」(100~145席)の初飛行テストに成功しました。機体に搭載する新型エンジンの開発責任者として、どのような思いでテストに臨みましたか。

 私たち関係者にとっては、とても重要な月曜日でした。

アンドリュー・タナー/1961年、モントリオール生まれ。84年、マギル大学を卒業後、エンジニアとしてカナダ・プラット&ホイットニーに入社。約25年間のカナダ勤務を経て、2009年に米国本社に呼ばれる。翌10年4月に、PW1000Gシリーズ開発担当ヴァイスプレジンデントに就任。現在、三菱航空機のMRJ向けエンジン、ボンバルディア(Cシリーズ)向けエンジンの開発責任者を務める。休日には、幼い子どもとスキーを楽しむ。
Photo by Shinichi Yokoyama

 初めて、新しい「ギアード・ターボファン・ピュアパワー・エンジン」だけで駆動したからです。それまで、テスト飛行では大型旅客機ボーイング747の機体を使って、五つ目のエンジン(PW1500G)を載せて試験していましたが、今回は新しい機体(試作機)と二つの新型エンジンだけで飛んだのです。

 約2時間30分のテスト飛行では、数多くの技術的な達成が確認できましたし、立ち会った人々から「エンジン音が静かだ」という声をいただきました。この点は、PW1000Gシリーズの特徴の一つでもあります。

――その一方で、三菱航空機のMRJ(70~96席)は、初飛行のスケジュールが3回延期されるなど、開発の遅れが目立ちます。当初の予定では、MRJの初飛行は2011年でしたので、本来はボンバルディアより先に飛ぶはずでした。そのような事態を、どうご覧になっていますか。

 とてもハードな質問です(苦笑)。そもそも、新しい航空機の開発プログラムというものは、さまざまな要因で計画の進行が遅れることがあります。確かにMRJは、何回かスケジュールが変更されています。ですが、私が2週間前に機体の構造部位を組み立てている三菱重工業飛島工場(愛知県海部郡)で実際に見てきたところでは、MRJの開発は着実に進行しています。しかも、エンジニアの目で見て、「前に動いている」という実感を得られました。

 MRJには、ボンバルディアのエンジンと同じシリーズのPW1200Gが載ります。三菱航空機は、世界で最も早く私たちのギアード・ターボファン・ピュアパワー・エンジンを選んでくれました。P&Wとしては、そのことに大変満足していますし、喜んでいます。今回は、たまたまボンバルディアのほうが先に飛んだというにすぎません。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年1月21日号 定価710円(税込)

特集 天才・奇才のつくり方 お受験・英才教育の真実

お受験・英才教育の真実

【特集2】
村田 vs TDK
真逆のスマホ戦略の成否

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


『週刊ダイヤモンド』特別レポート

『週刊ダイヤモンド』編集部厳選の特別寄稿と編集部による取材レポートを掲載。本誌と連動した様々なテーマで、経済・世相の「いま」を掘り下げていきます。

「『週刊ダイヤモンド』特別レポート」

⇒バックナンバー一覧