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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の52「論語」を読む。あなたは
水滸伝の最後に笑う悪役のように生きたいか

江上 剛 [作家]
【第53回】 2013年10月29日
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 最近、出世について若い人の考えかたが変わってきているかというインタビューをうけた。

 私は変わってきていると答えた。どのように変わってきたかというと、私たちの時代は、就職=就社だった。会社に入ることだけが目的で、何をするか、何をしたいかは関係なかった。

土地をタダ同然で分捕るヤツも

 だから入社すると、一斉にスタートラインに立たされ、出世レースに参加させられた。息も絶え絶えになって走り続け、同期入社組は次々と脱落し、そして最後に残った者が、出世の栄冠を掴むという具合だ。出世だけが目的と化している者も多くいた。だから恥ずかしげも無く、部下の成果を横取りしたり、他人の足をひっぱったり…。悲喜こもごものドラマがあったものだ。

 ではなぜ出世したいのか?

 出世すれば、まずお金が入る。権限を振るえる。秘書もつけば、付け届けも来る。私の知っているあるデパートの出入り業者は、出世すると見込んだ部長に土地を貸し与えて「家でも建ててください」と言った。するとその部長は、「ありがとう」とその土地に家を建てた。ずんずん彼は出世した。そしてついに常務になった。お祝いに出入り業者が彼の家に行くと、それまで木造の家だったものが、鉄筋コンクリートの家に変わっていた。そして土地はタダ同然で取られてしまったという。

 ことほど左様に、出世には見返りがあるものだ。官僚だって、出世すれば天下り先が違う。まあ、今の中国と同じだ。

 だけどそれもバブルまでのことだろう。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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