「沖縄・中国映画週間」関連の一連の行事に参加する機会を利用して、足を延ばして、宮古島を取材した。実は、2年前、沖縄の離島を取材した時にも、宮古島を訪問した。だが、その後、宮古島については何も書かなかった。当時の取材旅行では、最後に訪れた島ということもあり、疲れがたまり精神力が落ちた。滞在期間も短かった。そのためか、宮古島の特徴と魅力をつかみ切れなかった。

最初は魅力が理解できず

 しかし、この島のことを不思議に思っていた。宮古島には、ほぼ30年前にできた宮古島東急リゾートホテルがある。観光シーズンになると、訪れた観光客は平均2.5泊くらいホテルを利用している。客単価も3万円超/日で、家族連れが多い。飛行機代や食事代などを入れると、夏休みの家族旅行なら、ざっと50~80万円かかってしまう。それでも人々はこの島を目指す。東急リゾートホテルの場合はリピーター客も4割くらいいる。

 細かく確かめてみると、東急リゾートホテルを利用するお客さんの6割は東京から来ている。あとの4割は関西を中心としたその他の地方だ。しかも、東京からのお客さんの多くは東横線や目黒線など東急電鉄の沿線に住んでいる、という。東急電鉄の集客力に感心してはいるが、地勢的にも変化が多い石垣島や西表島などと比べ、宮古島はどうしても変化が乏しいと見られてしまう。

 いくら東急リゾートホテルの前に、東洋一と言われる美しい砂浜の与那覇前浜ビーチが7kmも続いていると言われても、島でリラックスしたいというお客さんの希望を説明されても、その魅力が私にとっては完全に理解できていなかった。

 宮古島には、客単価がもっと高いザ シギラ(THE SHIGIRA)、シギラベイサイドスイート、リゾートヴィラブリッサ、ホテルブリーズベイマリーナなどの宿泊施設を持つ南西楽園がある。1泊に十数万円もかかる客室から出てくる20代の若い女性を目の当たりにしたとき、彼女たちをつかまえて、どこから来られたのか、何泊する予定なのかと確かめたい衝動を覚えたほどだった。