株式レポート
10月30日 18時0分
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ドル円と日本株の連動性〜薄れている真の理由〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

本日(10月30日)日経新聞において、「円、株との連動性薄れる」という記事が掲載されている。具体的には、ドル円と日経平均株価の連動性(60日間の相関係数)が、「アベノミクス相場」が始まって極めて高かったが、最近になって大きく低下していることが紹介されている。


グラフでは、日経平均株価とドル円を比較しているが、アベノミクス相場が始まった2012年11月半ばから13年5月まで、両者はほぼ一本調子で円安、株高方向に動いてきた。その後も、アベノミクス相場が一服した後、円高、株安方向に転じた。それ以降も両者は概ね同じ方向に動いているが、両者が異なる動きとなる局面が増えているということである。

もっとも、ドル円と日本株が常に連動して動くわけではないので、最近のように両者が異なる動きを示すのは、不思議ではないだろう。日経新聞では、米FRBのQE3長期化への思惑が、両者の連動性が弱まった要因として挙げられている。最近は、FRBの量的金融緩和長期化の思惑でドル安となっても、金融緩和への期待が米国の株高を後押し、日本株を支える格好になっている(日本株は、最高値を更新する米国株についていけていないが)。

2012年末にアベノミクスが発動されるまでは、FRBが量的金融緩和策を強化すると、為替市場では円高ドル安要因となり、それが日本株市場の大きな重石となっていた。このため円高⇔日本株安という強固な悪循環が働き、日本株とドル円の連動性が強まっていた。

ただアベノミクス発動で、2013年4月から日本銀行が脱デフレにむけたFRBと肩を並べる「量的・質的金融緩和」を始めた。アベノミクス相場が一服した後に、ドル円と日本株が異なる動きをみせているのは、表面的にはFRBのQE3への思惑が要因である。より重要な点は、日銀の金融緩和策が強化されたことで、2012年以前の様に、米国要因だけがドル円相場を動かす状況ではなくなりつつあることである。

つまりアベノミクス発動で日本銀行の政策レジームが大きく変わり、FRBが金融緩和強化を続けても、一方的に円高が進まなくなり、FRBの金融緩和政策が日本経済や日本株にプラスに効く経路が働いているということだ。こうした意味で、最近の日本株とドル円相場の連動性が弱まっていることは、前向きに解釈できる面がある。

筆者は現在、消費増税決断などで脱デフレを目指すアベノミクスが揺らいだ事で、2014年の景気減速リスクを懸念している。ただ、日本銀行による金融緩和という「第1の矢」には期待できる。2014年に消費増税で日本経済が失速しても、その停滞を長期化させないために、日本銀行は2014年には金融緩和強化に踏み出すだろう。FRBの量的緩和縮小開始のタイミングでドル円の水準は変わるが、2014年は、日銀の金融緩和強化がもたらす円安に日本経済が支えられる構図が強まると、ドル円と日本株の連動性は大きく崩れるのではないかと考えている。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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