株式レポート
10月30日 17時0分
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年末商戦を前に米国個人消費に減速の兆候?〜株式市場は最高値更新も〜 - マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部「米経済の「今」を読む -経済指標動向-」

コンファレンスボード消費者信頼感指数 10月 71.2 市場予想 75.0 前月 80.2(改定)
小売売上高(前月比)         9月 -0.1% 市場予想 0% 前月 +0.2%

■消費者信頼感指数約2年ぶりの悪化幅も政府機関閉鎖の影響か
29日に10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数および9月の小売売上高が発表となった。どちらも前月から悪化、市場予想を下回った。

コンファレンスボード消費者信頼感指数は先に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数と同様、前月から9ポイント減と大きく悪化した(グラフ参照)。前月からの悪化幅が9ポイント以上となったのは2011年の7月から8月に59.2→45.2と14ポイント悪化して以来で、約2年ぶりの大幅悪化となった。


悪化幅が大きくなったのは先日の政府機関閉鎖の影響を受けた可能性が高い。そのため暫定的とはいえ問題が収束した11月分の調査で消費者心理が持ち直す可能性がある。やや気がかりなのは雇用、業況とも6ヶ月後の予測が大幅に悪化したことだ。6ヶ月後に雇用が増加すると答えた割合が(16.1→15.3)に減少したことに加えて、6ヶ月後に雇用が減少すると答えた割合は(19.1→22.7)と大きく増加した。業況についても同様の傾向である。消費者マインドの悪化が一時的にとどまらず、年末商戦に悪影響を及ぼすことになれば景気減速を招く。

■小売売上高は悪化も自動車を除いたコア売上高は堅調に増加
9月の小売売上高は前月から0.1%減少し、市場予想を下回るとともに今年3月以来半年ぶりに前月比で減少に転じた。ただ、変動の大きい自動車を除いた「コア売上高」を見ると前月比0.4%増となっており、堅調な消費動向を確認させる結果となった(グラフ参照)。


■消費者センチメントの悪化は懸念材料も政府機関閉鎖の影響を慎重に見極める必要
足元の消費は堅調な一方で、先行指標である消費者センチメントが大幅に悪化したのはやや懸念材料である。前回大幅な悪化を見せた2011年8月は(1)債務上限問題の表面化による米国債の格下げ(2)量的金融緩和政策第2弾(QE2)の終了という2つの事象が重なった結果景気減速を招き、株式市場は2ヶ月間で約1割調整した。

では今回も2011年同様、景気減速により株式市場が調整する可能性が高いかというと現段階でそうとは言い切れない。前述の(1)について、今年もほぼ同様の事象が起き、年明けから問題が再燃する可能性もあるが、(2)について事情は全く異なる。10月23日付レポートで記したとおり、労働市場の回復加速に陰りが見られる米国では、QE3の縮小(テーパリング)開始は来年以降に持ち越される可能性が高まっている。テーパリング開始が後ずれするとの見方を好感し、米国株式市場はダウ平均、S&P500とも史上最高値を更新している。米国経済が減速の兆候を見せればその分だけ金融緩和が長引くとの思惑で株式市場が上昇する構図となっているのである。

いずれにしろ消費者センチメントの悪化が、政府機関閉鎖の影響を受けた一時的なものに留まるのか、悪化傾向が継続するのか、来月以降の指標を見ながら慎重に判断したい局面である。

■用語解説
コンファレンスボード消費者信頼感指数
コンファレンスボード(全米産業審議委員会)が発表する消費者マインドについてのアンケート調査結果。1985年を100として消費者マインドを指数化したものである。調査対象が5,000人とミシガン大学の調査より対象人数が多いため、より確度の高い調査と言われる。個人消費動向を予測する上で大きな注目を集める経済指標。

小売売上高
米国の小売業の売上高を合計した数値のことで、個人消費動向を確認する上で重要視されている経済指標。前月比でプラスが数ヶ月間続けば個人消費が堅調、逆に前月比でマイナスが続けば個人消費が落ち込んでいると判断される。総合的な指標だけでなく、変動が大きい自動車販売を除いた数値も重要視される。

米国の国内総生産(GDP)のうち約7割は個人消費が占めており、個人消費の動向が景気の先行きを見通す上で重要な判断材料となることから注目が集まる。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕

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(マネックス証券)


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