中国 2013年11月15日

本日開校! 「邱永漢学校」分校 【第2回】
本気で社長になりたいのですか?

お金儲けの神様「邱永漢」人生最後の弟子で、2005年より中国四川省成都に在住。日本生まれの韓国人で、現在はグループ会社3社の社長兼取締役を勤める金さん。邱先生との日々はまさに「邱永漢学校」とも呼べるものでした。金さんが邱永漢の意思を継いで開催する「分校」。その授業内容は……?

【第1回】社長になりたい人はいませんか?はこちら

 私の事業パートナーといっても、最初は秘書のようなものです。その中で、私と濃密にコミュニケーションをとってもらい1年ぐらいをかけて社長1年生になってもらいます。

 最初は秘書からスタートです。でも社長だと思って仕事をしてください。

 私のもとで丁稚奉公できるのは4年間のみです。大学は4年で卒業するものです。そしたら独立してください。強制卒業か強制退学のどちらかしかありません。

 これが邱永漢のやり方でした。

 私がここでどんな格好のいいことを書いても、最初は小さな飲食店の店長からスタートするしかありません。そこには崇高な経営理念ではなく、「現場」という二文字しか存在しません。その現場という舞台で生まれるドラマの中に自分の身を置き、自分の人生を自分でつくり上げていくのです。

 あなたが今より高い山に登りたいのであれば、一度谷間まで降りていく必要があるのです。自分を谷底に突き落とし、そこから這い上がって来る勇気と気概を持った人間だけが起業家になれるのです。

事業家としての私の原体験

 私が事業家になりたいと思ったのは20歳ぐらいの頃からです。まわりに「俺は少なくとも100億は稼ぐ」と豪語し、「やってみろよ」と突っ込まれるたびに「お~やるさ」と息巻く大学生でした。つまり、自己顕示欲の塊だったわけです。

「人間は努力によってなんでも手に入れられる」と信じて疑わない人間でもありました。実際、当時の私は自分のやりたいことだけをやり、それなりに充実した生活を送っていました。

 大学の4年間は毎日テニスに明け暮れ、1日12時間もテニスをしていました。テニス部の主将としていばり散らすかたわら、学校の成績もかなり良いほうでした。当時はほかに吸収するものもなかったせいか、テストの前に3時間ぐらい集中して勉強すると面白いように頭に入り、ほとんど「優」を取れたのでした。

 大学4年生でテニス部を引退すると、今度は勉強がしたいという気持ちにスイッチが入り、半年ほど集中して勉強しただけで、奨学金をいただきながら海外の大学院への留学切符を手に入れたのでした。

 今振り返ると、当時の私はかなり傲慢でした。

・ 自分が人生で望んだものはすべて手に入る
・ 努力がすべての成果を決める
・ 成果が出ずにぼやく人間は、単に努力が足りないだけだ

と頑なに信じていたのです。

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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