8点先取したチームの72%
16点先取したチームの86%が…

  あるとき、眞鍋監督から、

「テクニカルタイムアウト時点で、リードしているチームの勝率を出してくれ」
  と依頼されたことがありました。

  バレーボールではどちらかのチームが先に8点、16点を取ったときに自動的に試合が止まり、タイムアウトになります(第5セットを除く)。

  これをテクニカルタイムアウトというのですが、リードを持ってテクニカルタイムを迎えたチームの方が勝っている印象がある。だから日本も8点、16点のときに先行している必要があるのではないか? という戦略まで見据えた仮説でした。

  手元にあったいくつかの大会分のデータを実際にふるいにかけてみると、確かに8点先取したチームの72%、16点先取したチームの実に86%がそのセットを取っているという結果が出ました(ぜひ「グラチャン2013」の試合で確かめてみてください)。

  「先行した方が有利」

  それまでバレーボール界で漠然と言われていた、なかば精神論的な言説を、見事に証明して、作戦に活かす。理論派・眞鍋監督の真骨頂でした。

  「8点、16点は先に取る」という、具体的な試合目標も見えてきます。
  眞鍋監督が「こうだと思うんだけど」と言った仮説は調べてみるとかなりの確率で正しいことが多く、いつもその目の確かさに驚かされます。