日経平均は小反落。1.55円安の14223.82円(出来高概算11億2000万株)で前場の取引
を終えた。既存店売上高が6ヶ月ぶりマイナスだったファーストリテイリング<9983>が
売り気配スタート。連日で強い値動きをみせていたソフトバンク<9984>が一時3%を超
える下げとなるなか、指数インパクトの大きい2社が日経平均の重しとなっている。
セクターでは海運、パルプ紙、鉄鋼、空運、精密機器、石油石炭、鉱業などが堅調。
一方で、情報通信、水産農林、その他金融、小売、輸送用機器などが冴えない。東証1
部の騰落銘柄は、値上がり数が過半数を占めているほか、規模別指数は大型、中型、小
型株指数ともにプラスである。日経平均構成銘柄は、値上がりが139、値下がり70、変
わらず16であり、ファーストリテイリングとソフトバンクの影響の大きさが窺える。
日経平均は一進一退の値動きが続いている。ファーストリテイリング<9983>とソフト
バンク<9984>のインパクトが大きいが、売り仕掛け的な商いが出ているとみられる。こ
の2社の株価動向次第であり、買い戻しの動きが出てくるかが注目される。特にソフト
バンク<9984>は上昇する25日線に沿った下値切り上げのトレンドを形成。25日接近で押
し目狙いの流れに向かいやすいところである。売り方との攻防となろうが、踏み上げ的
な値動きともなれば、他の材料系の銘柄などへの波及も意識されてきそうだ。
また、トヨタ<7203>の決算を見極めたいとのムードもありそうだが、一方で中小型銘
柄の上方修正などには敏感に反応をみせている。資金回転は速いと考えられるが、決算
を手掛かりにした循環物色が続くことになろう。
(村瀬智一)