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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の53「論語」を読む。あなたには
水滸伝・戴宗のような情報官がいるか

江上 剛 [作家]
【第54回】 2013年11月12日
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 今回のみずほ銀行の暴力団員融資問題による混乱の原因はいろいろあるが、一つにはみずほ銀行に優秀な情報官、すなわちインテリジェンス担当がいなかったことが挙げられるだろう。

企業の情報官と言えば広報

 企業の情報官と言えば、広報だ。広報は広く社会に目を開き、いったい自分の会社が社会の中でどのように位置づけられているか、絶えずトップに情報を上げなければならない。トップは、その情報を分析し、判断し、行動する。それ自体は、トップの責任だが、情報官がどのような情報を上げるかにかかっている。

 水滸伝で情報官といえば、神行太保戴宗だろう。

 彼は、江州の監獄の主任だった。そこで刑に服するためにやってきた宋江と出会い、梁山泊に仲間入りする。

 彼は、二枚の札を足にくくりつけ、1日に百里、四枚をくくりつければ百五十里も歩くことができる神行の術を使うことができる。

 この神行術を駆使して、彼は宋江の危難を救う。例えば、宋江が捕えられそうになると、相手先に先回りし、情報を入手し、それを宋江に伝え、逃亡を手助けする。一番は、宋江が重い病に倒れた時、唯一人治癒することができる医者である安道全のところにかけつけ、彼に神行の術を施し、宋江の下に連れ帰ったことだろう。そのお陰で宋江は、病から回復することが出来た。最後は、地方の長官を命じられるが、辞退し、庶民として死ぬ。死して後も、宋江の使いとして皇帝の下に行き、皇帝を宋江に引き合わせるという重要な役割を果たす。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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