「日本語は曖昧で難しい言葉」

 そのように外国人の方が、日本語を表現しているのをよく耳にします。良い捉え方をすれば表現が《豊か》とも言えるのですが、日常ではなく仕事で意思疎通するとなると、日本人と外国人の間では、曖昧さから頻繁にギャップが生じているようです。

 一方で、最近はアジアを中心に外国人エンジニアの採用を積極的に行なう企業が増え始めています。そんな外国人が増え始めた職場で一番悩ましいのが、「日本人上司と外国人部下の間で起きる意思疎通のギャップ」です。

 一体、どのようなギャップが起きているのでしょうか。また、そのギャップを解消するにはどうしたらいいのでしょうか?今回は、グローバル化の進む日本の職場で、今後多くの管理職が直面する問題を取り上げましょう。

外国人比率40%の企業も!
潜在的に高い外国人採用意欲

 日本の職場もグローバル化が謳われて久しいですが、最近は多くの企業で外国人の社員を見かけるようになりました。特に中国、韓国、インドなどのアジア諸国から技術ビザで新規来日する外国人が増えています。

 ちなみに技術ビザとは、理科系(理学、工学、その他の自然科学など)の分野に属する技術や知識を必要とする業務で働く人のためのビザです。主にこの技術ビザに該当する人というのは、IT関連の技術者、機械などの設計者、土木建築などの設計者、新製品開発などの技術者があげられます。

 先日取材したIT系ベンチャー企業の人事部長は
「日本語で仕事ができるのであれば、国籍は関係ありません」
と、求める人材のボーダーレス化を強調していました。事実、その会社でエンジニア部門の外国人比率は40%を超えています。

 また、海外進出をすすめる飲食・サービス業界でも外国人採用は増加傾向にあります。一例としてコンビニエンス業界大手のローソン社では2009年度新入社員の約3割が外国人。多様化する客層への対応を視野にいれた会社づくりの一環とのこと。こうした外国人の採用はサービス業界でも増えると言われています。

 ただ、すべての業界で外国人の採用が積極的というわけではなく、外国人社員がゼロという会社は依然として数多くあります。「職場で受け入れが出来ない」「日本人の採用だけで何とかなる」・・・など理由はまちまちですが、詳しく背景を聞くと、他社の動向をみているのが実態のようです。ですから今後、景気が回復して人材不足になれば、外国人採用実績がゼロの企業も外国人の採用を実施するかも知れません。

 つまり業界によって濃淡はあるものの、潜在的なニーズを含めて日本企業の外国人社員の採用は、増加傾向にあるのです。

職場のグローバル化を
若手社員は大歓迎

 では、職場に外国人社員が増えるとどんな変化が起きるのでしょうか?