ケンタッキーの思いと
ネットゲームの深い関係?

 KFCのブランドイメージに、「クリスマス」を連想する消費者は多いでしょう。今回のキャンペーンでは、首都圏10店舗のデジタルサイネージに、オンライン上のキャンペーンに参加する人が獲得した「ハート」の数が増えていく様子が、リアルタイムで表示されます。そこでキャンペーンに興味を持った人は、デジタルサイネージ上のQRコードから、その場で参加することができます。

 同社は、「クリスマスに、チキンを通してみんなに笑顔と幸せを贈りたい」という企業としての思いから、長きにわたってクリスマスキャンペーンを実施してきました。今年でちょうど40年目になるそうです。よって、同社の活動を知っている人も多いはずであり、今年も大勢の参加が見込まれます。

 キャンペーンでは、①ゲームで遊ぶことで「ハート」を獲得し、同時にKFCのクーポンがもらえる、②会員登録でクーポンの獲得機会が増える、③「ハート」は個人のほか全参加者で貯めることができる(その様子を実店舗のデジタルサイネージに表示)、④その「ハート」が100万に達すると国連WFPに飢餓救済支援金を贈呈、というストーリーが描かれています。ハートをモチーフにし、社会性の高いテーマを通じて顧客に自社の理念を伝えていこうというのです。

 特徴は、単にクーポンを配るのではなく、ゲーミフィケーションの要素を取り入れたキャンペーンへの参加意欲を高める仕組み、参加者のアクションが積み重なることで開発途上国の子どもたちに学校給食が提供されるという、ソーシャルグッドな目標達成への共感という点です。

 寄付をするためにハートを集めたくなるストーリー性と、ゲーミフィケーションで参加の垣根が低く保たれることによって、消費者は繰り返しキャンペーンに参加し、獲得したクーポンで再来店する。その結果、企業と顧客とのエンゲージメントが自然に強くなっていくという循環が生まれるのです。

「どこで何を売るか」から、「誰にどうやって買ってもらうか」というアプローチへの進化が著しい今、こうしたオフラインとオンラインを循環させる戦略はますます重要です。