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「ブラジルワールドカップによる動画広告市場の拡大に期待」――世界最大のスポーツ動画配信サービス、パフォームが狙う日本市場攻略

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第29回】 2013年11月15日
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 パフォームは世界中で開催される200以上のスポーツリーグやトーナメント、イベントをオンラインで配信する権利を公式に保有しており、配信する動画についての複雑な権利関係をクリアにしている。各国ごとに配信できるため、YouTubeをはじめとする動画配信サイトにつきものだった権利関係のトラブルは抱えていないという。

 また、映像だけではなく、スポーツベッティングには不可欠なライブデータ・過去データの提供にも注力をしている。サッカーでは年間6万5000試合(13年)のライブデータを提供するほか、134ヵ国、1000以上のリーグのスポーツデータを網羅し、メディアやチームに販売している。

ワールドカップ、モバイルを契機に
日本の動画広告市場の成長に期待

 ePlayerで配信されるコンテンツは、各国の提携メディアから提供された素材を元に作られるケースもあれば、グループ内で制作されるケースもある。世界最大のサッカー専門サイト「Goal.com」もグループ内のメディアの一つだ。世界的にもっとも人気の高いスポーツジャンルは「ダントツで圧倒的にサッカー」(スリッパー氏)だが、Goal.comは、ヨーロッパを中心に多くの専門記者を抱え、36ヵ国で運営されている。その取材力は、大手メディア並の水準と言えそうだ。来年行われるブラジルワールドカップには、パフォームは50人以上の記者を派遣し、独自のニュースを配信する予定だという。

 12年度の決算では、スポーツ動画の販売をはじめとするコンテンツビジネスの売上げが140億円と、グループ全体の売上高の60%以上を占めている。一方で、ePlayerを通じた動画広告の収益は20億円ほどと、ウェイト的にはさほど大きくはないが、前年度比では132%の成長を遂げている。

 「動画広告の市場規模は、モバイル広告のニーズと合わせて今後ますます伸びていくと考えています。現在の我々にとって、日本の市場は世界でおよそ10番目程度の規模ですが、今後3年間でアメリカ、イギリス、フランスに次いで4番目の規模にまで引き上げることを目標としています。

 来年のワールドカップは日本の動画広告市場としても大きなチャンスとなるでしょう。また、モバイル端末での動画広告にも期待しています。さらに、サッカー以外にも、より日本のニーズにマッチしたコンテンツを拡充し、広告主に評価されるフォーマットとして市場でのポジションを確立していきます」(同氏)

 動画広告向けにコンテンツを拡充するプランとしては、日本ではスポーツだけでなく芸能ニュースを取り扱うアイデアも検討中だという。モバイル市場やコンテンツの多様化といった面で、日本での動画広告市場の攻略は、パフォームの今後の成長戦略にとっても試金石となっていくのではないだろうか。

(構成/呉 琢磨)

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