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11月14日 18時0分
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明るさが目立つ米国経済〜テーパリングは指標次第だが案外早いかも〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

来週の重要経済指標、主要企業決算についてPDF版のレポートで解説しています


今週NYを訪れ金融機関のエコノミストや投資家を訪問して、米経済や金融政策についてディスカッションを行っている。9月FOMCで金融緩和縮小(テーパリング)が見送られ、FRBの金融政策は仕切り直しとなり、一旦は相場の材料ではなくなったように見えた。ただ、11月になって先週末(11月8日)の、10月雇用統計が上振れ、テーパリング前倒し観測が再び浮上している。

先週末の10月雇用統計で、NFP(非農業部門雇用者数)は約20万人増と単月で大きく伸び、過去の数字が上方修正され、6ヶ月平均でみても20万人/月近いペースで雇用が増え続けていることが明らかとなった。FOMCメンバーの中には20万人/月を「十分な回復」と強く拘わる意見もあるようだが、多くのメンバーは20万人増を「厳密な条件」とまでは見ていないようである。

判断基準として重要なのは、労働市場の改善が続いているどうかで、2ヶ月前のように雇用増が15万人/月前後になり下向きになっている(グラフ参照)とテーパリングに踏み出すのは難しい。ただ、現時点では6ヶ月平均でみると、再び20万人に近い伸びで推移しており、NFPの動きから労働市場の回復継続と素直に判断できる。この労働市場の状況が今後も続くことを前提に、2014年の1月か3月にテーパリングを開始する、と予想する面談者がほとんどだった(1人だけ、来月テーパリング開始をメインシナリオにしていた)。


9月FOMC時にバーナンキ議長が労働参加率の低下に言及したことで、「労働市場回復」をFOMCが判断するハードルが上がった可能性を筆者は考えていた。ただ実際には、労働市場の判断材料としては、従来通りNFPと失業率の二つの方向を重視している、という点で面談者はほぼ一致していた。労働参加率も判断材料になるが、テーパリングの判断基準としては参考数字の一つ程度であるとのことである。

9月FOMCでのテーパリング見送りを的中させた面談者2名も、判断する経済指標として同じ基準でみており、更に1月か3月のどちらも可能性はあるとの見方で、ほぼ同様の見方だった。彼らは、議長のスケジュール通りにテーパリングは「done deal」という議論や、政治要因で金融政策のスケジュールが影響されるなどの見方に疑念を抱き、経済指標の動きを最も重視し判断したそうである。そのうちの一人は、雇用だけではなく、GDPやインフレ率も判断材料なので、それらも含めて、今後も経済指標次第(data dependent)で、FRBはベーシックに判断するだろうと強調していた。筆者もそう思う。

経済指標については、足下で消費者心理や住宅市場の一部で弱いシグナルがあるが、企業景況感などの重要指標は10月も底堅く回復している。更に、2014年にかけて、米国経済の見通しについては、明るい見方が多い。2013年に足を引っ張った緊縮財政が和らぐと想定されており、その分今年よりも2014年にGDPが1%上乗せされるとの見方が定着している。

緊縮財政の和らぎ(政治混乱は一服)、金融緩和の景気刺激効果の強まり、住宅価格上昇、貸出態度改善、家計のデレバレッジの緩和、ガソリン価格低下(シェールガス革命の余波)など、米経済を取り巻く環境は明るい話ばかりだったが、賛同できる点も多かった。

中には、所得・利益増→消費・投資増の自律的な回復メカニズムが強く働くというかなり明るいストーリーも聞かれた。実際には政策に依存している面が大きく、筆者はそこまで楽観的にはなれないが、2014年については消費増税という景気抑制策のブレーキを踏む日本よりも、投資先として米国が魅力的ではないか?

また、テーパリング開始による株式市場への影響については、いろいろ見方があり米国株の悪材料になるかもしれない。ただ、テーパリングと同時に、イエレン新総裁のもとFRBは超低金利を長期化させる方針を強める展開が想定される。この点は、別の機会に報告したいが、テーパリングが始まっても、FRBの金融政策が株式市場をサポートする構図は続くかもしれない。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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