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曲がり角を迎えた在宅医療
“患者紹介ビジネス”の根絶は不可能

週刊ダイヤモンド編集部
2013年11月19日
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厚生労働省は、8月28日付けで患者紹介ビジネスを「不適切」とし、事例の報告を各地方厚生局や都道府県などに通知していた
Photo by Takeshi Yamamoto

 高齢者を対象とした在宅医療のあり方が問われている。

 国は高齢化社会に対応し、医療費高騰を抑制するため、病院中心から在宅中心の医療への転換を掲げ、在宅医療の普及を強力に推進してきた。

 その普及策が思わぬ"副作用"を引き起こしているのだ。

 その典型例が「患者紹介ビジネス」と呼ばれるものだ。患者紹介ビジネスとは、コンサルタントなどと称する仲介業者が訪問診療を行う医療機関や医師に対して、有料老人ホームなどの高齢者施設を紹介し、診療報酬の一部などから手数料を受け取るビジネスだ。高齢者施設を運営する事業者自らが患者を紹介して医師から手数料を取るケースも少なくない。

 今年の10月下旬、医療行為に対する公的価格である診療報酬について議論する会合、中央社会保険医療協議会(中医協)でも厚生労働省による調査結果が公表された。そこで、患者紹介ビジネスに対して、診療報酬の変更や省令の改正などで、規制を強める方針が示された。

大量確保、高齢者施設に魅力

 患者紹介ビジネスが行われる理由は何か。

 国は在宅医療を普及させるため、訪問診療に対し、外来診療よりも診療報酬を高額に設定している。そのため、高齢者を対象に訪問診療を行う医療機関は増加傾向にあり、地域によっては過当競争気味なのが実態だ。

 医師にとって、一度に大量の患者が確保できる高齢者施設は非常にうまみのある存在だ。しかも、同一建物内で大量の患者を極めて効率的に診療できる。

 現在の診療報酬制度では、患者1人当たり月2回の訪問診療でも、5万~8万円程度になる。1ヵ所で集中的に大量の患者を診れば、労せずして多額の診療報酬が入る。多少の手数料を支払っても、大量の患者を確保できるメリットの方がはるかに大きいのだ。

 「だいたい30人~35人の患者を確保すれば、1200万~1500万円程度の医師の給料が確保できる」(医療コンサルタント)。

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