ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
ゲームのルールを変えろ
【第5回】 2013年11月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
高岡浩三 [ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEO]

第5回
世界一マーケティングが難しい国、日本
広告からPRへのシフトでニュースをつくる

1
nextpage

ネスレ日本100年の歴史において、史上初の生え抜き日本人CEOに就任した高岡浩三氏。「キットカット」受験生応援キャンペーンや「ネスカフェアンバサダー」など、数々の革新的な取り組みを実行してきた。『ゲームのルールを変えろ』(ダイヤモンド社)の刊行を記念して、著書では語り尽くせなかったマーケティングの真髄が明かされる。

世界で最もマーケティングが難しい国、日本

 私には、アメリカの経験は1年あるものの、基本的には日本というマーケットしか担当していない。しかし、それは決してハンデだとは思っていない。むしろ、アドバンテージであるとすら思っている。なぜなら、日本という国は、世界中で最もマーケティングが難しい国だからである。

 日本でマーケティングが難しい理由、それは、同じ業態での競争が世界でも類を見ないほど同質的だからだ。特に、商品の品質には非常にこだわっているため、ネスレで開発したどんな商品を持ってきたとしても、日本ですぐに売れるような商品はない。まして、ネスレ日本は、日本の平均的なメーカーの5倍以上の利益を稼ぐという使命を課せられている。ありきたりの発想領域では、勝負にならないのだ。

 ネスレ日本でマーケティングをやり続けたからこそ、いろいろ失敗もしながら、どうすれば効率よく、高い利益率を上げて成功することができるのかを常に考えていた。おそらく、ネスレのグループの中で誰よりも考えてきたと自負している。その結果、「ネスカフェ」も「キットカット」も日本発信の成功モデルを構築したため、そのブランドについては、ネスレ日本はグループで注目される国の1つにまで成長した。

 いまの日本は、21世紀型のビジネスモデル、成熟先進国のビジネスモデルが必要だと私は考えている。マーケティングとは、グローバルに共通した概念だ。しかし、その国の成熟度によって、マーケティングのあり方というのは異なってくるはずだ。フィリップ・コトラー氏が来日して話をしたときに、彼もそう言っていた。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
自分の時間を取り戻そう

自分の時間を取り戻そう

ちきりん 著

定価(税込):本体1,500円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
生産性は、論理的思考と同じように、単なるスキルに止まらず価値観や判断軸ともなる重要なもの。しかし日本のホワイトカラー業務では無視され続け、それが意味のない長時間労働と日本経済低迷の一因となっています。そうした状況を打開するため、超人気ブロガーが生産性の重要性と上げ方を多数の事例とともに解説します。

本を購入する
著者セミナー・予定
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


高岡浩三(たかおか・こうぞう) [ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEO]

1983年、神戸大学経営学部卒。同年、ネスレ日本株式会社入社(営業本部東京支店)。各種ブランドマネジャー等を経て、 ネスレコンフェクショナリー株式会社マーケティング本部長として「キットカット」受験生応援キャンペーンを成功させる。 2005年、ネスレコンフェクショナリー株式会社代表取締役社長に就任。2010年、ネスレ日本株式会社代表取締役副社長飲料事業本部長として新しいネスカフェ・ビジネスモデルを提案・構築。利益率の低い日本の食品業界において、新しいビジネスモデルを追求しながら超高収益企業の土台をつくる。同年11月、ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEOに就任。
現在、経済同友会幹事。日本インスタントコーヒー協会会長。
著書に『ゲームのルールを変えろ』(ダイヤモンド社)、共著書に『逆算力』(日経BP社)がある。

 


ゲームのルールを変えろ

ネスレ日本100年の歴史において、史上初の生え抜き日本人CEOに就任。「インターナショナルスタッフ」が役員就任の条件とされるなか、それは異例の人事だった。「キットカット」受験生応援キャンペーンや「ネスカフェアンバサダー」など、常識を覆す革新的な取り組みを実践してきた高岡浩三氏。『ゲームのルールを変えろ』(ダイヤモンド社)の刊行を記念して、著書では語り尽くせなかったマーケティングの真髄が明かされる。

「ゲームのルールを変えろ」

⇒バックナンバー一覧