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吉田恒のデータが語る為替の法則

米ドル/円も豪ドル/円も円高に転換か!
米国金利と豪州中銀の「次の一手」に注目

吉田 恒
【第35回】 2009年7月1日
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 米ドル/円は、方向感の乏しい一進一退の展開が長引いています。ただ、円安から円高へ転換する局面では、このような値動きとなることも決して珍しくありません。

 2009年に入ってからの対円での米ドル高値は、4月6日につけた101円(終値ベース)です。それから、6月29日でちょうど60営業日が経過しました。

 6月29日の終値が96円レベルですから、4月6日の米ドル高値からの下落率は5%程度ということになります。

米ドル/円 日足

 また、円安基調が終わってから60日後に米ドルが5%程度下落しているというのは、2008年に見られた似たようなケースと比べると「遅い」し、「緩やか」ということになります。

 2008年の円安のピークは、8月につけた110円でした。それから、米ドルが5%以上に下落率を拡大していったのは36営業日以降でした。つまり、今回よりも半分ぐらいの時間で、ドル安・円高が鮮明になっていたのです。

 ただ、円安から円高への転換が、今回のケースが「遅い」というのではなく、2008年のケースが「早い」ということだったと思います。

円の戻り安が一巡し、
円高が本格化するのは2~3ヵ月

 今回よりも前にあった、過去3回の円高局面において、同じような円の戻り安から円高が本格化するまでの時間(円安ピークから、米ドルが5%以上に下落する時間)を調べたところ45~68営業日で、平均すると54営業日でした。

 普通、1ヵ月は22営業日程度ですから、45~68営業日というのは2~3ヵ月になります。つまり、円の戻り安が一巡して、円高が本格再開に向かうのは2~3ヵ月といった、比較的「緩やかな」経緯をたどるのが普通のようです。

円高基調「中休み」パターンについて

 このように見てくると、足元で見られている一進一退の値動きの長期化は珍しいことではなく、むしろ、円高が本格化するタイミングに、着実に近づいてきているということではないでしょうか?

 それでは、円高基調が本格的に再開するきっかけは、何になるのでしょうか?

 私は、米国の金利と資源国通貨の動向に注目してきました。なぜかと言うと、この2つは極端な行き過ぎ相場となっていて、それが修正に向かう可能性が高くなっていると考えたからです(「長期金利の劇的な低下がきっかけか?『FRBサプライズ』でドル/円は90円へ」「見事に復活してきた資源国通貨だが、リバウンドのクライマックスは近い!」参照)。

 米ドル/円と相関性の高い米国の長期金利(10年もの米国債の利回り)は、短期の行き過ぎをチェックする90日移動平均線との関係を見ると、かい離率が一時はプラス30%となっていて、過去10年間で見ると最大のかい離率になっていました。

 つまり、短期的に「異常な上昇」となっていた可能性があったのです。

10年米国債の90日移動平均線からのかい離率

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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