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オヤジの幸福論

実践編(3):投資を計画通りに進める

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]
【第23回】 2013年11月20日
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 資産形成を実践するうえで重要な3つのポイントのうち、これまで「目的に合った投資をする」と「年齢によって投資の仕方を変える」についてお話ししましたが、今回は最後の「投資を計画通りに進める」についてお話しします。何事も計画通りには行きませんが、特に投資においてはマーケットが日々変動するため、計画通りにやるのは大変難しいことです。せっかく計画を立てても、資産ポートフォリオを放置すれば、当初の予定から大きなズレが生じてしまうため、定期的なメンテナンスが必要です。

資産ポートフォリオのメンテナンス

 「よく考えた末」、1000万円の資金を株式に500万円、債券に500万円(株式50%、債券50%)投資するケースを考えてみましょう。1年後の資産価値は債券が横ばいで500万円、株式は倍増(リターン100%)の1000万円になったとします。皆さんだったら、(1)株式市場が上がりそうなのでそのままにする、(2)株式市場から大きなリターンを獲得できたので、株式を全部売却して後は債券のみで運用する、(3)当初の資産配分(株式50%、債券50%)に戻して株式と債券に750万円ずつ投資する、の三つの選択肢の中からどれを選びますか?

 次の行動を考える際、どうしても株式市場の現在の状況が大きな影響をおよぼすと思います。債券が横ばい、株式が倍増した後、ポートフォリオは債券が500万円(33%)、株式が1000万円(67%)で合計1500万円となります。1年で価値が倍になった株式をそのまま保有したくなる気持ちはわかりますが、株式がいつまでも上がり続ける保証はないので、冷静に長期の計画に沿って資産を運用したいのであれば、(3)の当初の50%/50%の資産配分に戻すのが正しい選択です。

 なぜなら、オヤジ世代の皆さんもビジネスや人生でご経験があると思いますが、安定して結果を残すには「想定外」の事態を避ける必要があるからです。株式市場では株価が急上昇した後に利益確定売りが出て元の水準に戻ることも珍しくありません。仮に翌年のパフォーマンスは債券が先ほどと同様の横ばいとなる一方、株式が一転して50%下落したとすると、資産配分を元に戻さず債券33%、株式67%のまま(債券500万円、株式1000万円)であれば、株式の割合が計画よりも17%も多いことで株式市場の急落から想定外に大きな損失を被り、ポートフォリオの価値は1000万円と振り出しに戻ってしまいます。

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後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


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