日本企業に必要なリーガルサービスとは?

 シンガポールオフィスには、英国の大手法律事務所に30年以上勤めたトニー・グランディ弁護士をシニア・オブ・カウンセルとして迎えた。前事務所で東京とシンガポールのオフィスの開設に携わり、アジアの法務サービス業界では知らない人はいない人物だという。

トニー・グランディ弁護士

「アジア業務における森・濱田松本法律事務所の強みは、第1に日本と現地の法律の違いを理解し、それを依頼主に日本語で説明できること。第2に日本企業の意思決定のプロセスを理解していること、そして第3に日本企業が求める法務サービスの質と深さを理解していることです。これらは現地の法律事務所には真似のできない頼もしさだと思います」(グランディ弁護士)

関口健一弁護士

 また、シンガポールオフィスの開設に携わった同事務所の関口健一弁護士は、「実際に現地オフィスを構えてみると、毎日のようにさまざまな依頼が寄せられ、いかに現地の日系企業が使いやすく、行き届いた法務サービスを求めているのかを実感します。日本企業のアジア進出はまだまだ拡大し、アジア以外の地域でのニーズも広がるはず。そうした企業のニーズにひとつでも多く応えられるように、森・濱田松本法律事務所はこれからもアジアを中心とする海外業務を発展させていくつもりです」と語る。

 ちなみに、アジア進出を考えてはいるものの、冒頭に述べたようなリスクを恐れて注意深く準備を進めるあまり、なかなか進出できない日本企業も少なくない。高谷弁護士は、「準備に何年も時間を掛けていると、その間に現地の市場環境やレギュレーションが大きく変化してしまうこともあります。慎重さは大事ですが、アジアで成功するには、ある程度の大胆さも不可欠ではないでしょうか」と語る。頼もしい法律事務所との出会いは、そうした決断を後押ししてくれる力にもなりそうだ。

「日本企業のアジア進出サポートではナンバーワンを自負しています」と語る高谷弁護士(右から2番目)

(取材・文/渡辺賢一)