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【第323回】 2009年5月22日
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週刊ダイヤモンド編集部

帰るもとどまるも地獄
日系ブラジル人の憂鬱

 全国に30万人以上いる日系ブラジル人。その多くが今後の身の振り方を決められず、窮地に追い込まれている。

 自動車関連産業などの派遣労働者として働いてきた彼らだが、昨年末の派遣切りで職を失った。今のところ、失業給付金で食いつないでいるものの、あと1ヶ月ほどで期限切れに直面する人が激増する。

 そこで厚生労働省もようやく重い腰を上げ、日系ブラジル人支援策を打ち出すこととなった。

 支援策は2つある。まず、3ヶ月間の日本語研修などを通じた就労支援。もう1つは、ブラジルへの帰国支援だ。帰国希望者に対して本人に30万人、扶養家族1人につき20万円を支給するという制度である。

 しかし、ブラジルに帰国しても日本以上に失業率が高く、仕事が見つかる保証はどこにもない。おまけに、帰国支援事業には当初、再入国が認められるかどうかがあいまいで、「日系人排除だ」と批判を浴びていた。

  ここにきて、国は「原則3年間は再入国を認めない」と期限を明確に切ったが、「読みようによっては、永住ビザがもらえなくなる可能性があるなど、利用者が二の足を踏まざるを得ない制度」(あるハローワーク職員)。いきおい申請数は伸びていない。

 かといって、再就職はさらにイバラの道だ。愛知県豊橋市のハローワークの場合、日系ブラジル人で再就職が決まる人数は、少ない月だと10人未満にとどまる。一方で毎月、600人以上の新規失業者が押し寄せる。

 帰国も再就職も選べない日系ブラジル人は今後、大挙して生活保護に駆け込んだり、ホームレス化する可能性も高く、全国の自治体は戦々恐々としている。現状を放置すれば、社会問題化する恐れがなきにしもあらずだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 津本朋子)

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