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11月20日 18時0分
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2014年の重要な投資判断材料〜各国の財政政策の違い〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

先週までの米欧出張で、いくつかのミーティングで話題になったのが、2014年に米欧において緊縮財政政策の悪影響が和らぐ可能性が高いということである。これが、2014年の先進国の経済動向や投資先を考える上で、一つの重要な判断材料になるのではないかと考えている。

例えば、米国では2013年の経済成長率はなんとか2%前後の成長を保っているが、経済成長率はさほど高まらなかった。米国市場をみると、株価も大きく上昇し、債券市場では長期金利も上昇して経済は好調にみえたが、米国のGDP成長率はFRBや筆者を含めたエコノミストが想定していたほど高まらなかった。

金融緩和の刺激効果で、消費や住宅投資は底堅く伸びて回復自体は続いたが、2013年は所得増税や政府の歳出削減の悪影響が成長率の重石になっていた面があった。実際に、緊縮財政がどの程度経済成長率を押し下げたかについては、例えば米議会予算局はGDP比で1.5%程度、増税や歳出削減の景気押し下げの影響があると試算している。

2014年にかけて、財政協議を巡り政治が混乱するなど不確実な面は残るが、政治的な波乱を除けば、政府の歳出削減はまだ続くが、その削減ペースは和らぐ可能性が高い模様である。更に2013年に実現した、給与所得増税のような家計への負担は検討されていない。これらを踏まえると、2014年に緊縮財政の影響は1.5%から大きく低下するため、他の条件が一定ならば2014年の米国のGDP成長率を、2013年対比で1%程度押し上げるという見方が多かった。最新のIMFによる想定では2014年に米国では増税や歳出削減などの緊縮財政の悪影響が相当和らぐが、この想定どおりになりそうである(グラフ参照)。


こうした動きは、欧州(ユーロ圏)についても同様のようだ。既に2013年に、2012年対比で緊縮財政の悪影響が和らぎ、それが南欧諸国などの景気悪化を和らげていた。最近、2014年の各国の予算がそろった模様で、2014年にはユーロ圏全体で緊縮財政の悪影響は和らぐ可能性が高いという。グラフで示したIMFの想定で試算されるとおりに、欧州でも2014年は緊縮財政の下押し圧力が、一段と和らぐ可能性が高い。

一方で、日本においては、2014年から消費増税が始まり、それに対して法人減税前倒しや公共投資などでその悪影響はやや軽減される。ただ、10月4日レポートで紹介したが、2013年には財政政策で総需要が刺激されていたが、2014年は緊縮財政が経済成長の足を引っ張る。


景気動向は財政政策だけで決まるわけではなく、変動相場制度のもとでは金融緩和の景気刺激効果に期待できる。緊縮財政だけで、97年時の消費増税のように景気後退にまで至らない可能性もある。ただ、少なくとも、アベノミクス発動で金融政策と財政政策の両輪で成長率が高まった2013年から、2014年には状況は変わる。緊縮財政が、デフレ脱却途上の日本の景気動向や企業業績の下振れリスクを高める。

日本の財政政策が抱えるリスクを踏まえると、リスクアセットの投資先としては、2014年は米欧などのリスクが小さいという点で、相対的に魅力がある。(1)リーマンショック以降の5年のタイムスパンでみれば欧米諸国に対して日本株がなお出遅れている、(2)日本が過去20年続いたデフレから脱する大きな流れが起きている、を踏まえれば2014年も日本株が米欧株をアウトパフォームしても不思議ではない。ただ、各国の財政政策の状況という観点でみると、2014年はこのシナリオは想定し難いのではないか。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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