21日の前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:黒田総裁会見待ち、個人はメディアドゥの動向を見極めか
■外資系証券の注文動向:差し引き650万株の買い越し
■前場の注目材料:IPO銘柄の活況が引き続き手掛かり、中小型株優位の展開が継続
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■黒田総裁会見待ち、個人はメディアドゥの動向を見極めか
☆日経225想定レンジ:上限15250円-下限15050円
21日の東京市場はこう着感の強い相場展開になりそうだ。20日のNY市場は、連邦公開
市場委員(FOMC)議事録で数ヶ月以内の量的緩和縮小開始が議論されたことが明らか
となったことが嫌気され、NYダウ、ナスダックともに下落。シカゴ日経225先物清算
値は大証比60円高の15160円、円相場は1ドル100円台での推移となり、朝方は買いが
先行することになろう。
ただ、日経平均は今週に入って、小幅ながら調整が続いている。先週の急ピッチの上
昇に対する過熱を冷ますという意味では理想的な調整だが、指数インパクトの大きい
値がさの一角が支えている状況。買い一巡後は直近の戻り高値水準での攻防が続きそ
うである。
また、政府は20日、公的年金改革で最終報告書をまとめた。既に原案が伝えられてい
た通り、新指数「JPX日経インデックス400」を例に挙げ、TOPIX以外の株価指数の利
用を推奨した。想定内ではあるが、JPX日経400構成銘柄のほか、高ROE銘柄へ関心が
集まりやすい。もっとも、株式の基本ポートフォリオについては、6月に11%から
12%に変更した投資比率はそのままであり、目先的には期待感が後退する格好にはな
りそうである。
その他、日銀政策委員会・金融政策決定会合の結果と黒田日銀総裁の記者会見が予定
されている。市場は期待感こそないだろうが、円相場が1ドル100円台を回復するな
か、黒田日銀総裁の記者会見などで更なる株高・円安につながる材料が出されるかが
注目されよう。
物色としては個人主体による材料株やテーマ株物色が中心になりやすい。なお、19日
に新規上場のANAP<3189>は、20日に公募価格の5.1倍で始まったが、引けはストップ
安となるなど、波乱含みに。20日上場のメディアドゥ<3678>とM&Aキャピタル<6080>
ともに買い気配で終えているが、同様の展開になると、材料株物色についても慎重姿
勢につながる可能性はありそうだ。
■外資系証券の注文動向:差し引き650万株の買い越し
朝の外資系証券6社経由の注文状況は、売り1050万株、買い1700万株、差し引き650万
株の買い越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。
11月14日(木):650万株の買い越し
11月15日(金):1170万株の買い越し
11月18日(月):510万株の買い越し
11月19日(火):470万株の買い越し
11月20日(水):230万株の買い越し
■前場の注目材料
・米国株安も円安がカバー、黒田日銀総裁会見見極めムードで膠着感が強まる可能性
・IPO銘柄の活況が引き続き手掛かり、中小型株優位の展開が継続へ
・外国人訪日客が1-10月で過去最多を更新、旅行、小売り関連などに関心
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
08:50 前週分対外対内証券売買
09:00 日銀金融政策決定会合(2日目)
11:00 菅官房長官、定例記者会見
<海外>
10:45 中国・11月HSBC製造業PMI速報値(予想:50.8、10月:50.9)