2020年の東京開催が決まったオリンピック。東京都の試算では、3兆円もの経済効果が日本にもたらされるという。普段スポーツに関心がない人でも、世界最大規模のスポーツ大会の誘致に胸を躍らせる人は多いだろう。そんななか、東京五輪に先駆けて、国内勢と海外勢が激しく陣取り合戦を繰り広げる「スポーツウェアブランド競争」が起きているのをご存知だろうか。奇しくもその場所は、49年前の東京五輪の舞台となった東京国立競技場からほど近い若者の街・原宿である。スポーツの聖地で熱を帯びる原宿スポーツブランド競争の最前線をリサーチしよう。(取材・文/プレスラボ・梅田カズヒコ)

若者も知らないスポーツの街・原宿
五輪に先駆けたスポーツブランド競争

 7年後のオリンピックの開催地が東京に決まり、久しぶりの明るいニュースに興奮を覚えた人は少なくないはずだ。開催に向け、東京の街はまた少しずつ姿を変えようとしている。そんな東京の様子を見てみると、奇しくも49年前の東京五輪の舞台となった「東京国立競技場」からほど近い原宿で、“スポーツブランド”競争が起こっている。

 銀座で最も繁華な、つまり日本で最も地価が高い通りの1つである中央通りには、「H&M」「ZARA」「ユニクロ」「アバクロ」などのファストファッションブランドが集まっており、さながら中央通りは「ファストファッション通り」と化している。このように、東京にはある地域に同業種が集中し、激しい商戦を繰り広げるケースが多い。

 一方若者の街・原宿には、スポーツウェアブランドのアンテナショップが溢れている。原宿駅の竹下口から降りてほどなくのところにサッカーの「KAMO」(サッカーショップ加茂)、数軒隣に野球用ユニフォームなどで有名な「デサント」(DESCENTE)、そこから徒歩1分もかからないところに、米国由来で現在はヨーカ堂系列の「OSHMAN’S」(オッシュマンズ)がある。