「自動運転」に群がるマスコミの餌食に!?<br />マツダ「安全装備の体感試乗会」事故への大きな誤解第43回東京モーターショー・報道陣向け公開日でのマツダのプレゼンテーション。予約販売が順調な「アクセラ」を前に、小飼雅道社長がカメラのフラッシュを浴びる Photo by Kenji Momota

マスコミの常套手段
「持ち上げておいて、ドォ~ンと落とす」

 最初に申し上げておきたい。

 本稿で取り上げる事案について、本稿執筆時点で警察からの検証結果は正式に公開されていない。筆者としては、憶測による記事化をするつもりはない。

 だがこのところ、あまりにもマスコミ各社の報道が過熱しており、そのなかにはマツダ、及び自動車産業全体に対する誤解を招きかねない内容も見受けられるため、筆者としては公開されている事実と筆者の実体験に基づき、今回の事案に関しての意見を述べたい。

 マツダは11月20日(水)11:15~11:30、東京モーターショー(東京都江東区・東京ビックサイト)の報道陣向け公開日にプレゼンテーションを行なった。

 登壇したのは、同社代表取締役の小飼雅道氏。世界戦略車「アクセラ」が予約販売で1万台を突破し、滑り出しが好調等と商品に関する紹介。その後、「是非、最後にひとこと、申し添えさせていただきたいと思います」と前置きして、次にようにコメントした。

「先般の販売会社での事故につきましては、皆様に大変ご心配おかけ致しまして、私としましては、お客様並びに販社の従業員の方が一刻も早く回復されることを願うのみであります。今後とも当社は、より一層の安全を最優先した取り組みを進めてまいります」

 これは、11月10日(日)、マツダオートザム店を埼玉県内で展開する坂田自動車(埼玉県深谷市)で、SUV「CX-5」を使用して行なった「安全装備の体感試乗会」での事故についての発言だ。事故の第一報として同社は11月12日、プレスリリース(PDF)を出した。

 同日、一般社団法人自動車公正取引協議会は2013年11月12日、「衝突被害軽減ブレーキ等のASV技術についての明瞭な表示」(PDF)を発表した。

 その直後から、マスコミが警察等への独自の取材合戦を繰り広げ、各種報道が相次いでいる。しかし、なぜここまでこの事故は大きく取り上げられるのか?