SFA(営業支援システム)を中心としたクラウドサービスの世界的大手である米セールスフォース・ドットコム。今、起きているコンピューティングの変革とは。

米セールスフォース・ドットコム会長兼最高経営責任者(CEO) マーク・ベニオフ<br />「モノのインターネット」の時代 <br />モノの裏には“顧客”がいる

──コンピューティングの世界では“第3の波”が到来していると述べていますね。

 第1の波はメインフレームの時代でした。その後、クライアントサーバという第2の波がやって来て、PCネットワーク、LAN、WANなどが生まれた。

 そして今、明らかに新しい第3のコンピューティングの波がやって来ています。クラウド、モバイル、ソーシャル、この3要素によって、これまでの20億台のPCがインターネットにつながっている世界から、まもなく30億台が普及するであろうタブレット、同じく50億台のスマートフォン、そして世界人口80億人がソーシャルにつながる時代を経て、500億にも及ぶ“モノ”がインターネットにつながる世界がやって来ます。「Internet of Things」、つまり「モノのインターネット」こそが第3の波です。

──「モノのインターネット」によって、われわれの生活はどう変わりますか。

 例えば、私が通っている病院では、医師の前の椅子に座ったら、それで体重が測られ、その情報がインターネットを介して医師のコンピュータに送られる仕組みになっています。

 キヤノンの一眼レフカメラ「EOS 6D」は、写真を撮ったらすぐに他の写真仲間と共有したり、ソーシャルメディアにアップロードできますね。コミュニティづくりやコラボレーションが可能になり、新しいビジネスができるようになっています。