JPモルガンのおかげで、
アメリカは世界最大の債権国に!

イギリスをはじめとする連合国は、軍事費を捻出するため戦時国債(戦債)を発行します。その多くが販売されたのもアメリカの証券市場でした。ドル建ての英仏共同国債の発行を引き受けたのは、ニューヨーク最大の金融資本であるJPモルガンです。

 戦中、戦後を通じて莫大な貿易代金と戦債の償還金(返済金)がアメリカへ流れ込んだ結果、アメリカは世界最大の債権国となり、米ドルが国際通貨となったのです。

 民主党のウィルソン大統領はグローバリズムの理想を信じ、連邦準備制度理事会(FRB)設立を認可するなど、ニューヨークの金融資本と強く結びついていました。はじめは、アメリカの伝統的なモンロー主義に従って中立を宣言します。

 しかし、連合国の一角であったロシアで革命が起こり、ドイツと休戦します。余力のできたドイツ軍がフランスに攻勢をかけたため、連合国の勝利が揺らぎます。

「連合国が敗北すれば、彼らが発行した国債は紙くずになる!」、ウィルソンが参戦を決断したのはこのときです。