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11月25日 18時0分
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金融緩和頼みだから株高は持続しない? - 村上尚己「エコノミックレポート」

11月半ば以降、米日市場で株高が続いている中で、それに対して様々な見解がメディアで紹介されているが、金融緩和長期化がもたらした「過剰マネー」が株高の原動力になっている側面を強調する見方が目立つようになってきた。

ただ、実際に何が「過剰マネー」といえるかは微妙である。経済を安定させるため金融緩和政策を強化し、実際に経済が成長してそれが続くという市場の期待が株高を支えているならば、それは「過剰マネー」とは言えないだろう。

金融緩和策の「やり過ぎ」や「弊害」を懸念されている方は、リーマンショック以降、FRBを中心に異例の金融緩和強化を続けているため、その弊害がでてくると疑念を持たれているのかもしれない。ただ、過剰マネーつまり行き過ぎた金融緩和が経済に弊害をもたらすとすれば、その一つはインフレ率が高まり過ぎることである。

実際には、FRBが量的金融緩和政策を最も積極的に行ってきた米国のインフレ率はほぼ+2%以下で安定的に推移してきた(グラフ参照)。インフレリスクには配慮するが、大きな不動産バブル崩壊を伴う経済ショックが起きた後なので、失業率改善を明確なターゲットに掲げて金融緩和を強化し続ける政策が、総じてうまくいっていたということだろう。だから、米国経済にも複数の逆風が吹いていたが、金融緩和による景気刺激効果がそれをはねのけ安定成長と企業利益の拡大が続いた。そして、2009年3月以降の4年半にわたり、米国株が世界の株式市場を先導していた。


日本においても、2012年末からのアベノミクス発動をきっかけに、脱デフレに強くコミットする日本銀行の金融緩和強化によって、日本の金融市場が一変した。それから1年が経過したが、日本市場についても、「過剰マネー」への懸念と同様なのだろう、金融緩和によって株高が続いていることに不安を示す声も聞かれるようになった。例えば、「金融緩和頼みのアベノミクスでは株高は持続しない」などの声もメディアで目にする。

ただ、日本において、「脱デフレのプロセス」はこの1年でようやく動き始めたばかりである。消費者物価指数コアを米日で比較すれば、いまだにゼロに浮上した段階である。米国と比べても、+2%のインフレ率を実現し、それを安定させるにはまだかなり距離があるのは明らかである(グラフ参照)。


つまり、消費や設備投資など総需要を増やす金融政策によるサポートが依然必要な段階で、脱デフレを進める経済政策が、米国よりも求められている状況にある。更に、2014年には財政政策(第2の矢)が消費増税で引き締め方向に影響する可能性が高く、金融緩和による後押しが必要になってくるとみられる。

「アベノミクスは金融緩和頼みとなっており、株高は持続しない」という懸念は、第3の矢などへの失望があるのかもしれない。ただ、脱デフレの途上にある中で、「供給力を高める第3の矢」に失望するのは時期尚早で(11月1日レポート参照)、「金融緩和強化で株高が支えられる」という構図は日本ではまだ続く。仮に株高が持続しないとすれば、脱デフレを後押しする政策が力不足となる時だろう。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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