韓国のラッパーPSY(サイ)の「江南スタイル」は昨年(日本を除く)世界で驚異的なヒットとなった。

 同曲の「乗馬ダンス」をキャメロン英首相とジョンソン・ロンドン市長が2人で踊ったという話まで昨秋報じられた。先日の出張時にソウルの江南地区に行ってみた。米国でいえば「シリコンバレー、ウォール街、ビバリーヒルズ、マンハッタンのアッパー・イーストサイド、マイアミを全て一緒にした」街である(S・Hong氏の「AAWW」掲載コラム)。

 サムスンをはじめとする財閥系大企業のオフィス、高級住宅街、高級ブランドショップが集積している。田んぼ、畑だった地域が1970年代から再開発された。今や近隣地区と合わせたわずか15平方マイルの地価が韓国第2位の都市、釜山全体より高くなっている。

 富裕層が多く住むエリアであり、フェラーリやポルシェは別に珍しくはない。欧米ファッションブランドの店の上階には高級整形外科が見える。ここで登録された金融資産は55.6兆ウォン(2010年)であり、証券会社が集まる永登浦区を超えた。また、ソウル大学にいるソウル市出身学生の4割はこの地域に集中している。