ノートは「大きなおもちゃ箱」

 たとえ、ごちゃまぜで見苦しくなったとしても「一元化」は必ず守ってください。なぜかというと、一元化してさえいれば、目的の情報を100%見つけ出せるからです。

 このことを説明するためには、子どものおもちゃの片付けをイメージするのがいいでしょう。子ども部屋の中に、おもちゃが散らかっているとします。両手で持つような大きいものから、掌の上にのる程度のもの、ドングリのような小さなもの、それにカードやパズルのピースのような平面のもの、球体のものなど、さまざまなサイズと形のものがある。

 これを、片付けるにはどうすればいいでしょうか。棚や引き出しに整理して入れる? いや、一つの大きなおもちゃ箱に、片っ端から全部突っ込もう!

 これが「一元化」の発想です。むちゃくちゃだ、と思う人もいるかもしれません。確かに、大きさや用途ごとに分類・整理して棚に片付ける方が見た目も美しく、気分もいいでしょう。しかし「一元化」には、そういった分類や整理の良さをはるかに上回るメリットがあるのです。

 一つは、片付けに要する時間がケタ違いに短く済むこと。何も考えず箱にポイポイ放り込むわけだから、当たり前ですね。もう一つは、目的のおもちゃを探すとき、「『この箱の中にある』とはっきりしている」ということです。

 分類・整理した場合、目的のものが分類したはずの場所に見つからないと、他のどこにあるのかわかりません。たとえば、野菜の形をした積み木は、「ままごと道具」なのか「積み木」なのか。それとも「どちらでもない何か」なのか。それを決めて覚えておかないと、「ここにもない」「あそこにもない」という具合に、見つけ出せなくなってしまう。遊んだあとは元の場所にしまうとか、分類を乱さないための努力も常に要ります。

 これに対して「大きなおもちゃ箱」の場合は、「あらゆるおもちゃがこの中にある」ことがはっきりしています。たとえ、ドングリ一つ、パズルのピース一つといった小さく目立たないものだとしても、必ず箱の中にあるのだから、一つひとつ見ていけば必ず見つけ出せるわけです。

 日常生活の中で取っておきたい情報も、長いものから一言のものまでさまざまですが、それでもとにかくノートに入れるのです。