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11月29日 18時0分
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価格上昇は広がっている〜ガソリン価格だけ上がっているわけではない〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

来週の重要経済指標、主要企業決算についてPDF版のレポートで解説しています


本日発表された10月消費者物価(コア)指数は前年比+0.9%と前月(同+0.7%)から一段と上昇した。2013年5月にプラスに転じてから上昇が続き、前年比+1%まで接近したことになる。円高修正によるガソリンなどのエネルギー関連の上昇が、過去半年の消費者物価上昇を牽引している。

一方、円安が大きく影響するガソリンなどの品目の価格だけが上昇しているわけではない。ガソリンなどエネルギーや食品を除いた「米国式コア指数」(いわゆるコアコア指数)は、前月(9月前年比+0.0%)にゼロに浮上した後、10月に同+0.3%と遂にプラスに転じた。同指数のこの伸びは1998年半ば以来である(グラフ参照)。


つまり、ガソリンなどだけではなく、幅広い品目にも価格上昇圧力が広がっているということだ。9月以降は、エネルギー価格上昇よりも、「価格上昇(or価格下落緩和)のすそ野の広がり」が、消費者物価を押し上げる構図になっている。例えば、家電などの耐久消費財は、技術革新が続き常に価格下落が起きているカテゴリーだが、マイナス幅は縮小している(グラフ参照)。


もちろん、家電などの身の回りのモノの価格下落が和らいでいることには、部品や原材料の価格上昇が影響している面もある。それに加えて、2013年初からの消費復調で、品質や価格帯が高いモノの売れ行きが良くなったという需要側の要因で、価格転嫁が容易になる影響が現れ始めているとみられる。

一方、家賃の下落が続いていることもあり、サービス価格については依然としてマイナスの領域に止まっており、大きな変化はみられてない。サービス分野は価格改定に時間を要するので、一部上昇している外食や旅行関連などを除けば、価格上昇(or下落緩和)の動きは限定的である(グラフ参照)。2014年以降、労働市場の需給改善で賃金にも上昇圧力が高まる中で、サービスの領域にも価格上昇は徐々に波及するだろう。


また、秋口から、幅広い品目に価格転嫁が広がりつつあることには、消費者が抱く「期待インフレ」の高まりも影響している面も無視できないだろう。家計へのアンケート調査から試算した、1年後の期待インフレ率はじりじりと上昇している(グラフ参照)。


「アベノミクスによる金融緩和強化が、株高・円安を引き越した」という側面がメディアで強調される。実際には、アベノミクス発動と日本銀行の金融政策転換を起点に、経済正常化とデフレ緩和の動きが進んでいる。1990年代半ば以降の長期デフレが終焉するという大きな変化が起きている、という長期的視点に立った金融資産の選択が重要になっている。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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