ゴルフファンであれば、白いヘッドのドライバー、ロフト角などを可変できるドライバーなどを見たことがあるだろう。こうした新提案や新技術を次々と導入して、日本市場を席巻しつつあるのが米アディダスグループのゴルフブランドであるテーラーメイドだ。躍進の秘密は、たゆまぬ新しい価値の提案にあるという。

テーラーメイドゴルフ社長 山脇康一 <br />相次ぐ新提案でドライバーシェアがトップにPhoto by Tatsuya Noguchi

――テーラーメイドといえば、白いヘッドのドライバーというイメージが非常に強いですね。あまりの人気ぶりに、ライバルメーカーも相次いで白いヘッドのドライバーを投入しました。

 2011年に発売した白いヘッドのドライバー「R11」は、「構えやすくて打ちやすい」と評判になり、飛ぶように売れました。他のメーカーも追随してきたことで、ドライバー市場はさながら白一色という時期もありました(笑)。従来、ドライバーのヘッドの色は黒やグレーしかありませんでしたが、これがきっかけとなり、いろいろな色の商品が登場するようになり、市場が活性化されたのではないでしょうか。

――さらに続けて投入したドライバー「R1」は、白いヘッドに加えて、自分でクラブの特性を簡単に調整できることが話題となっています。

 これまでも、調整できるドライバーはありましたが、R1は調整の幅が広く、また簡単に調整できるクラブということで好評を得ました。2013年国内男子ツアーの開幕戦では、出場選手132人中、41人がR1を使用していたことからも、プロに満足いただける製品を出せたと自負しています。ロフト角(フェース面の傾斜度合い)は8度から12度の範囲で変更できるほか、フェースアングル、弾道も好みに応じて変更できるのが特徴です。調整機能の幅広さでは、これが一つの完成形に到達したと見ています。

 次々と新しい提案をし続けることで、日本におけるドライバーのシェアは20~25%とトップの地位を確保しました。5年ほど前のシェアは15~20%程度で、2位グループでしたから、着実にシェアをアップしています。ただし、米国においてはテーラーメイドのシェアは40~50%です。これに比べたら、まだまだ伸ばす余地はあります。