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「ロシアのMIT」出身の異色の連続起業家が
仮想化ビジネスの次の戦略を語る

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第31回】 2013年12月5日
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「Macintoshが企業ビジネスの中で増大し続けている」と指摘するのは、MacでWindowsソフトを動かせるようにする、デスクトップ仮想化ソフトを世界で400万本以上販売するParallels(以下、パラレルス)のジャック・ズバレフ氏だ。ズバレフ氏はパラレルスの創業メンバーの一人で、現在は同社のクロス・プラットフォーム・ビジネスのプレジデント兼ゼネラル・マネジャー。「ロシアのMIT」とも称されるモスクワ物理工科大学出身で、過去には、パラレルス同様、セルゲイ・ベロウソフ氏(現アクロニスCEO、前パラレルスCEO)らとともにアクロニスを立ち上げたシリアル・アントレプレナー(連続起業家)でもある。「さまざまなデバイスが使われるようになり、企業のCIOの仕事は複雑さを増している。我々は、その頭痛の一部を和らげたい」と語る。(取材・文 ダイヤモンド・オンライン 魚谷武志)

社名が意味する二組の平行線

ジャック・ズバレフ氏
パラレルス 
クロス・プラットフォーム・ビジネス 
プレジデント兼ゼネラル・マネジャー

 パラレルスはMac向けのデスクトップ仮想化ソフトではトップ企業だが、もともとはホスティングやASPなどのB2B事業者向けにサーバ仮想化や自動化のソフトウェアを提供する、SWソフトという企業が源流だ。サーバー仮想化の先駆けとしてASP向けの事業で成長した後に、2005年にアップルがインテルアーキテクチャのMacを発表したのを受けて、Macで別のOSを使えるよう仮想環境を構築する製品を3ヵ月でリリースし、この市場に先鞭をつけた。

 ズバレフ氏によると「Parallels Desktop for Macは、3年で大成功をおさめた」と言うが、Parallels Desktopは従来手掛けてきたB2Bのビジネスとは全く別のビジネスになり、開発を決めた当初は成功するかどうかはわからなかった。

 このため、ブランドを重視し、MacとWindowsが併用できるという製品のメリットを一言で訴求できる「Parallels」という新しいブランドを使うことにした。デスクトップ製品の成功後は、「Parallels」というブランドが浸透していたこともあり、社名もSWソフトからパラレルスにしたという。「今では、当社の二本柱である、ホスティングおよびクラウドサービス事業者向けのビジネスとデスクトップのビジネスの両方を表す意味でもとてもよい名前だ」(ズバレフ氏)。

 日本では、SWソフトが別会社であるパラレルスを買収し、買収先ブランドに社名変更したというように理解されていたが、常に経営の中枢にいたズバレフ氏によると、パラレルスはそもそもSWソフトの一部門であり、製品ブランドであったということだ。

技術アプローチの違いは、解決すべき課題の違い

 ASP向けの事業では現在、世界130ヵ国以上で9000社以上の顧客に対しクラウド基盤を提供している。サーバー仮想化ビジネスとデスクトップ仮想化ビジネス。こうした事業領域を見ると、VMware(以下、VMウェア)と競合する事業が多いように見える。

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